訪日韓国人のホテル選び、コスパより「メンパ(価心比)」?
韓国人の訪日旅行において、注目すべき傾向がある。それは、消費に対する独特な価値観。
OTAサイト「Trip.com」のビッグデータ調査によると、日本人と韓国人のホテル選びの基準が「コスパ」と「メンパ」に分かれているとのこと。
調査は、過去1年間韓国人に人気のあった大坂、福岡、東京の3都市の宿泊トレンドを調査し、同エリアの日本人に人気のホテルと比較した結果である。
韓国人に人気の宿泊施設9箇所の平均レビュー評価は、4.6/5点で、日本人の人気ホテルベスト9の評価(4.5)より0.1点高く、ホテルのクラスを表す★マークも、韓国人が平均3.7、日本人が3.3と、より高いクラスの宿泊施設を好んでいた。
宿泊料で比較すると、1泊平均価格は韓国人が16,000円、日本人が15,000円で、韓国人の方が少々高額である。
特に注目すべきは、宿泊エリアの違いで、都心を中心に韓国人は1km圏内、日本人は3km圏内を好むということだ。
これらの結果を総合してみると、訪日旅行で宿泊先を選ぶ韓国人は、リーズナブルな価格を優先しつつも、実際のレビューやエリア、アクセスまで綿密に調べた上で予約をする傾向があり、最低料金重視(コスパ)ではなく「自分が満足できるホテル」を様々な根拠から洗い出し選択する。たとえ料金が高くつくとしてもである。
旅行消費の価値観の基準が、安さやお得感ではなく「自分」にある。これを韓国では「価心比」所謂、メンタル・パフォーマンスといい、2018年度の流行語にもなる程の消費トレンドとなっている。
同じ「価心比」でも逆のパターンがあり、旅行先によっては「老舗の高級旅館より、家族で泊りながらもっと身近な日本体験ができる個性あふれる、ローカルのゲストハウスを選ぶ」といった場合も少なくない。
ホステルやゲストハウスに対する抵抗感も、AirBnBやメディアの影響から年々ポジティブになり、今では「宿泊+体験+ふれあい」のイメージで、あえて宿泊するケースも多い。まさに「価心比」的考え方だ。
訪日韓国人の旅行消費額は、訪問者数対比低く「韓国人は日本に来てお金を使わない」と思われがちだが、これらの傾向を見る限り、自分の満足のためなら出費を惜しまないという消費トレンドを上手くつかめば、意外とニッチな分野でインバウンド効果を期待できるかもしれない。
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