中国人観光客、日本で使う金額「20~40万円」がボリュームゾーン
日本を訪れる外国人観光客が激増している。政府観光局によると、15年の上半期(1~6月)の訪日外客数は、前年同期比46%増の914万人に達し、過去最高を更新した。中でもボリュームが多いのは中国人観光客だ。博報堂「インバウンド・マーケティング・ラボ」の、「春節期における東アジア4地域(中国・韓国・台湾・香港)の訪日観光客のインバウンド消費行動調査」によると、訪日滞在中に「中国人」が消費した金額は4エリア中最も高く、「20万円~40万円」がボリュームゾーン。「台湾」が3.8万円~7.6万円、「韓国」は6万円程度と10万程度の2つに山があり、「香港」は男女ともに7万円程度、15万円程度の男性も多いとの結果だ。各エリアと比べても、中国人の消費額は際立って高い。
そんな中国人観光客らに「購入商品決定のタイミング」を聞いてみると、「訪日検討前」が46.5%、「訪日検討期」が26.9%と、訪日前に購入商品を決定している人が約7割を占めた。購入した商品のカテゴリーごとにみても、ほとんどが訪日検討前、訪日検討期に決定している。買い物リストは訪日前に作られているようだ。一方でファッション製品、トイレタリーカテゴリーに関しては、「訪日後~店頭で」決定している人が約半数おり、店頭でのアピールも有効だと考えられる。
購入した商品については約6割が、今まで母国か日本で購入し、使ったことがある商品を「リピート買い」していることも分かった。買い物で重視する点も、「安全・安心だから(54%)」や「コストパフォーマンスがいいから(47%)」が上位を占め、「日本製だから(25%)」「母国では買えない日本ならではの製品だから(18%)」などを大きく上回った。「メイドインジャパン」であるかどうかよりも、とにかく「品質の高い製品を安く買うことができること」が重視されている。
ファッション関連、トイレタリー関連の商品では、ネットではなく店頭で仕入れた情報を参考に買う人も多い。小売各社にとっては、商品の「質」を重視する中国人観光客に対し、いかに店頭でアピールするかが重要といえそうだ。(編集担当:北条かや)