2020年1月の訪日外国人1.1%減、4カ月連続の前年割れ
日本政府観光局(JNTO)が19日発表した1月の訪日外国人客数(推計値)は、前年同月比1.1%減の266万1000人と集計されました。前年を下回るのは4カ月連続となります。
これは、日韓関係の悪化を受け、韓国からの訪日客数が59.4%減と大幅に減少したことが影響していますが、韓国とドイツを除く17カ国・地域(中国、台湾、香港、タイ、シンガポール、マレーシア、インドネシア、フィリピン、ベトナム、インド、米国、カナダ、英国、フランス、イタリア、ロシア、スペイン)は、1月として過去最高を更新しました。
1月末から本格化し始めた中国で発生した新型コロナウイルス感染症による訪日客数への影響は、3月発表の2月の訪日外国人客数統計に表れてくる見込み。
韓国からの1月の訪日客数は31万6800人と、前年同月(77万9383人)から46万2500人超減少しました。
一方、中国・武漢で発生した COVID-19(新型コロナウイルス感染症)の感染拡大を巡る問題で懸念された中国人訪日客は、前年同月比22.6%増の92万4800人と、1月として過去最高を記録した。
中国政府が同感染症の感染拡大を受け、中国人の海外への団体旅行の禁止措置を打ったのは1月27日で、JNTOは「中国政府の通達前までは、航空便の大幅な増便などを背景に中国人訪日客数は好調な伸びを記録した」と指摘し、そのうえで「1月27日からは、訪日を含む(中国人の)出国者数全体が激減している」としました。
2月以降の統計では、中国人訪日客の大幅減少が見込まれます。
2019年は2月であった春節(旧正月)が20年は1月になり、訪日需要増の時期が前倒しになったことで、香港が42.2%増の21万9400人と1月として過去最高を記録しました。
そのほか、マレーシア(42.7%増)やフィリピン(48.9%増)、ベトナム(42.5%増)などからの訪日客数も前年同月比で2桁の伸びとなり、東南アジア諸国の訪日ラッシュはさらに勢いが増しています。
JNTOは、現状を懸念しつつも市場動向を綿密に分析しながら、訪日旅行プロモーションに取り組んでいくことを示しました。
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