台湾SNSで再燃する“日本のおもちゃ”熱
ベイブレードとたまごっちが、なぜ今また話題に?
最近、台湾のSNSを見ていて少し気になった動きがあります。
それは、ベイブレードやたまごっちといった、日本のおもちゃに関する投稿がじわじわ増えていることです。
きっかけのひとつは、Threadsで見かけたベイブレードに関する投稿でした。
親戚の子どもに弱すぎると言われた投稿者が、勝てるベイブレードを教えてほしいとネット上で相談する。しかも、予算は無制限。
かなり大人げない内容なのですが、この“本気すぎる感じ”が台湾のネットユーザーに刺さったようです。
その後も台湾SNSでは、成功把姪子打哭的勇勇是混蛋嗎?という投稿も話題になりました。直訳すると、姪っ子を泣かせることに成功した勇者は、ひどい大人なのか?といった意味合いです。ベイブレードをめぐる大人げない熱量が、半分ネタとして楽しまれていました。
コメント欄では、おすすめの機体やカスタムの話で盛り上がり、昔遊んでいた人たちの記憶も一緒に掘り起こされていました。

現在展開されているBEYBLADE Xの商品ラインナップ 画像出典:タカラトミーモール「BEYBLADE X」商品一覧/© TOMY

台湾SNS上で見られたベイブレード関連の反応 出典:Threads投稿より引用(一部加工) ※投稿者情報は加工しています
面白いのは、こうしたSNS上の盛り上がりが、実際の日本旅行中の行動にもつながっている点です。
ある台湾ユーザーは、日本旅行中にJoshinでベイブレードを見つけたことを投稿していました。
本人いわく、想像していた日本旅行は「薬局で爆買い、服のショッピング」。ところが実際は、ヨドバシ、ビックカメラ、ドン・キホーテ、イトーヨーカドー、ヤマシロヤ、ポップアップストア巡り。

訪日中にベイブレードを探す台湾ユーザーの投稿例. 出典:Threads投稿より引用(一部加工) ※投稿者情報は加工しています
気づけば完全に“おもちゃ探しの旅”になっていたようです。
ここで感じるのは、日本のおもちゃが台湾の生活者にとって、単なる商品ではなくなっているということです。
強いベイブレードを探すこと。日本の店舗を回ること。SNSで戦利品を報告すること。
その一連の流れが、ひとつの遊びになっています。
もうひとつ気になったのが、たまごっちです。
Threadsでは、街で見かけたぬいぐるみについて、日本の電子ペット系IPのキャラクターだった気がする、見た目がちょっと朱元璋っぽい、といった投稿が見られました。

「朱元璋っぽい」という表現が話題になった台湾SNS上の投稿例 出典:Threads投稿より引用(一部加工)
朱元璋といえば明の初代皇帝ですが、ここではなぜか、たまごっちのキャラクターを指す冗談として使われています。この少し唐突な組み合わせが絶妙で、台湾SNSではたまごっちのキャラクターを朱元璋と呼ぶ投稿も見られます。
さらに、朱元璋を大量に育てている、朱元璋が大量発生している、といった言い方まで出てきていて、日本のキャラクターが台湾独自のミームとして受け取られているのが面白いところです。

台湾SNS上で広がった「朱元璋」ネタへの反応例 出典:Threads投稿より引用(一部加工) ※投稿者情報は加工しています
また、多言語情報発信メディア「JAPANKURU」の取材チームがちょうど都内の玩具・キャラクターグッズ売り場を訪れた際にも、たまごっち関連の商品が店頭に並んでいる様子が見られました。

都内の玩具・キャラクターグッズ売り場で見られた、たまごっち関連商品 撮影:JAPANKURU編集部
日本では懐かしいおもちゃとして見られることの多いたまごっちですが、台湾SNSでは、キャラクターの見た目やちょっとした言葉遊びをきっかけに、別の角度から楽しまれているように見えます。こうした受け止められ方の違いも、SNSを追っていて面白いと感じた点です。
ベイブレードもたまごっちも、共通しているのは、昔の人気商品がそのまま昔のものとして消費されているわけではない、という点です。
台湾では、SNSの投稿やミーム、訪日中の買い物体験と結びつくことで、今のコンテンツとして再び楽しまれています。
今回のような動きを見ていると、台湾向けの発信では、商品をそのまま紹介するだけでは少しもったいないのかもしれません。現地のSNSでどんな言葉が生まれ、どんなポイントが面白がられているのか。その空気感を読み取ったうえで、コンテンツ制作やインフルエンサーとの連携に落とし込むことで、より台湾の生活者に届きやすい切り口が見えてくるのではないでしょうか。
日本のおもちゃは、台湾で懐かしいものとしてだけでなく、今また遊びたくなるものとして再発見されつつあります。その熱量をどう読み取り、どんな切り口で届けるか。そこに、これからの台湾向け発信のヒントがありそうです。
このコラムを書いた人

グローバル・デイリー / 広報部
韓国出身。旅行業やマーケティング会社の運営を通じて、インバウンドに関わる企画・販売・情報発信まで幅広く携わってきた。 実務で培った視点をもとに、現在は自治体や企業向けに、海外向けコンテンツの制作やセミナーを通じて、インバウンド施策を支援している。
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