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コラム

アメリカ、インドネシア、フランス各国のトランプ関税政策と影響、今後の注意点

トランプ関税政策は世界経済に多大な影響を与えています。関税が連邦政府の歳入を増やし、米国の製造業を活性化させ、膨れ上がった貿易赤字を減らすのに役立つとして、遂行しているアメリカですが、他国にも深刻な影響をもたらしています。今回は、アメリカ、インドネシア、フランスの動向を中心に、関税に関する動きをご紹介いたします。

アメリカ:関税政策の揺れが経済に影響

アメリカでは2025年に入り、トランプ前政権による急激な関税政策が再び注目を集めています。yahoo franceによると、特に4月の小売売上高は、関税導入前の駆け込み需要が一巡した反動でわずか0.1%増と急減速し、消費者心理の冷え込みが鮮明になりました。小売業界は、値下げ交渉や調達先の多角化、最終価格への転嫁といった対応策を講じていますが、関税による輸入コストの上昇は避けられず、とくにベビー用品では価格が高騰し、入手困難な状況が生まれています。こうした影響を受け、全米12州が「州経済に打撃を与えた」としてトランプ政権を提訴するなど、地方からの反発も強まっています。一方で、米中両国は関税の大幅削減に向けた合意に近づいており、貿易環境の改善も期待されていますが、政策変更のリスクは依然として高く、企業はこうした不安定な状況下で価格戦略や供給網の見直しを迫られています。変動の大きいアメリカ市場では、今後も関税の影響を注視しながら、需要動向や競合状況を把握するためのマーケティング分析が必要となります。

 

インドネシア:「国益優先」の交渉姿勢

インドネシアはアメリカとの関税交渉において「国益を最優先する」と明言しており、現地の強硬な姿勢を崩しておりません。また、関税交渉を前に、同国は原油とLPGの輸入を大幅に増やす提案を進めており、エネルギー供給の安定化と価格調整に動いていることが伺えます。それでもインドネシアの経済成長率は年間5%前後を維持する見通しであり、関税をめぐる交渉が経済全体に大きな打撃を与えているわけではないようです。

 

フランス:電子機器への課税強化

フランスでは、ouest franceによると、スマートフォンやパソコンに対する関税免除が認められず、最終的に20%の課税が決定されました。この措置により、IT関連製品の輸入コストが上昇し、消費者価格への影響も避けられない状況となっております。ヨーロッパ全体で見ても、デジタル機器に対する関税方針は経済のデジタル化と矛盾する面があり、今後の政策転換が注目されています。

 

世界の関税政策は今後も不確実性が高く、注視が必要

以上のように、各国の関税政策はそれぞれの経済戦略と密接に関連しており、国際的なバランスの中で変動しています。特にアメリカや中国のような経済大国の動きは、他国への波及効果も大きいため、今後の展開を注意深く見守る必要があります。

トランプ関税の影響で、税収の増加など利点もある一方で、消費者や企業のコスト増によりインフレ(物価上昇)を誘発する可能性がある他、貿易摩擦の誘発する恐れも懸念されます。ブランドは長期化するトランプ関税の動向に注視しつつ、マーケティング分析を通じた市場需要予測や価格戦略の再構築が必要となるでしょう。また、訪日インバウンドにも不安定な情勢は影響を与える可能性があります。消費行動の変化などマーケティング分析は今後も欠かせない重要な要素となります。弊社ではマーケティング・ブランド戦略コンサルティングを行っております。ご興味ある方は、お気軽にお問い合わせください。

このコラムを書いた人

藤田(Fujita) プロフィール写真
藤田(Fujita)
グローバル・デイリー / 広報部
媒体部兼進行部の経験を経て、海外のプロモーション会社や出版社とのパートナーシップを築いてきた。各国のトレンドや需要を抑えながら、企業のニーズに沿ったインバウンドプロモーションについて長年にわたり従事。

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