大阪の食PRへ新組織 訪日富裕層誘致へ
大阪商工会議所と大阪観光局は「食のまち」として大阪を世界にアピールし、都市としてのブランド力向上を図る組織「食創造都市 大阪推進機構」を共同で設置すると発表しました。多様性を重視し、和洋を問わず付加価値の高い食に焦点を当てた取り組みを推進することで富裕層の訪日外国人客誘致を強化、地域経済の振興につなげたいという考えです。
大阪の食といえば、たこ焼きやお好み焼きといった「粉もん」のイメージが定着しており、低価格帯で客単価が低いため、訪日外国人客の飲食費の支出が東京などに比べて低い点が問題視されます。
アピールする「食」は、日本料理店や世界各国の料理店が観光資源としてそろっているのを踏まえ、分野にはこだわらず新たな技術や料理の創出といった「革新性」などを付加価値として重視し、料理人同士の学びや交流の場を用意していくとのこと。
大阪の伝統を生かすのは、カウンター越しに作り手と客が対話しながらよりよい料理につなげる「割烹(かっぽう)文化」や、食材を無駄なく使う「始末の精神」で、食事を楽しむ空間や持続可能な開発目標(SDGs)の観点から魅力を打ち出していく予定です。
発信方法としては、世界的な影響力があるシェフたちとのネットワーク構築を推進し、そこから著名な美食家らとつながり、会員制交流サイト(SNS)などでの拡散を狙います。
両者は2020年1、2月に同機構を設立、両団体トップが共同代表を務め、プロデューサーに「沢田充(ケイオス社長)」が就く予定。各種団体や自治体と連携し、大阪・関西万博のある2025年までに訪日外国人客の飲食費消費単価を約1.5にする目標です。