京都・祇園で訪日客のスマホにマナーのプッシュ通知実証を開始
▲Photo by JAPANKURU
インバウンド市場の急成長・訪日外国人の増加に伴う課題として、日本の各地でも浮上している「オーバーツーリズム」への対応は、大きな前提として「受け入れる側と訪れる側の双方が理解と配慮できる方法」を模索し実行することが重要ですが、その第一歩は、異なる文化やルールの認識がない外国人客へ「マナー」を周知させることです。
外国人観光客のマナーが問題化している京都・祇園町の花見小路周辺で、スマートフォンへのプッシュ通知などを使った大規模なマナー周知事業が9月30日より70日間に実施されます。
祇園町南側ではお茶屋や芸舞妓への迷惑行為が問題となっており、地元の祇園町南側地区協議会の対策要望を受け、市が国土交通省近畿運輸局と観光庁の事業を活用して行うこととなりました。
観光客らが同地区に近づくとスマホ画面に自動的に表示されるプッシュ通知では、芸舞妓に無断での写真撮影や通りいっぱいに広がった歩行、町家にある犬矢来への腰掛け、私有地への侵入をやめるように呼び掛けます。
言語は、英語と中国語に対応しており、通知が届くのは、宿泊施設が無料で貸し出しをしている約5750台のスマホや訪日外国人客向けの地図アプリを入れているスマホなどに限られ、70日間の実証期間で推計約4万台に通知できるとのこと。
このほか、英語や中国語を話せる巡視員が9月30日~11月24日の平日に各日4人が巡回し、迷惑行為をする人を注意する活動とともに、事業の効果を検証するため、地元住民や観光客へのアンケートや監視カメラで対策の前後のマナー違反件数を比較するほか、4カ所に設けたWi―Fiセンサーで、来訪者数や滞在時間の実態把握を進める予定です。
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