高島屋など、訪日外国人効果により売り上げ増
訪日外国人旅行者の増加により売り上げを伸ばし続けている百貨店業界だが、高島屋<8233>、三越伊勢丹ホールディングス<3099>、J・フロントリテイリング<3086>傘下の大丸、松坂屋などの大手百貨店が1日、相次いで9月の売上高を発表。それによれば、高島屋の9月の売上高(速報、既存店ベース)は前年同月比3.9%アップという結果であり、6ヶ月連続でのプラスとなった。三越伊勢丹ホールディングスは前年同月比1.2%アップであり、こちらも6ヶ月連続でプラス、J・フロントリテイリングも前年同月比2.6%アップの6ヶ月連続でのプラスという結果であった。
各百貨店ともに、9月上旬は天候不順により伸び悩んだが、月の後半にかけて秋物衣料品の買い替え需要や訪日外国人旅行者の需要などにより売り上げを伸ばした。高島屋の売上高を商品別に見てみると、時計を含む「宝飾品」が前年同月比7.0%アップ、高額品の「特選衣料雑貨」が前年同月比15.2%アップという結果であった。秋物の衣料品の買い替え需要により「婦人雑貨」も前年同月比9.3%アップと伸長、特にストールやマフラーなど首回りの小物が伸びた。「紳士雑貨」は前年同月比5.6%アップという結果であった。なお、訪日外国人旅行者の増加により、免税売り上げは3倍弱にまで高まった。
三越伊勢丹ホールディングスでは、スカーフやマフラーなど「婦人雑貨」が伊勢丹新宿本店、三越日本橋本店、三越銀座店の旗艦3店で前年同月比18%程度アップ。月の後半には秋物も活発な動きを見せ始め、婦人向けのスーツやブラウス、紳士向けのスポーツコートやジャケットなども伸長した。旗艦3店ごとに売上高を見てみると、伊勢丹新宿本店が前年同月比5.9%アップ、三越日本橋本店が前年同月比5.0%アップ、三越銀座店が前年同月比4.7%アップという結果であり、このうち伊勢丹新宿本店の免税売り上げは2.2倍にまで高まり、同店全体における割合の10.3%を占めた。
J・フロントリテイリングでは、「婦人雑貨・子供服」前年同月比9.6%アップと伸長し、売り上げ全体を引き上げた。また訪日外国人旅行者の需要により、美術・呉服・宝飾などの高額品も前年同月比20.4%アップと大きく伸びた。訪日外国人旅行者による免税売り上げは、前年同月の約3.3倍にまで増加した。
各百貨店ともに、秋物の衣料品などの好調さと併せて、訪日外国人旅行者の需要の高まりが寄与して売り上げを伸ばす結果となった。(編集担当:滝川幸平)