外国人宿泊は8月12.0%減、地方部は4.9%減にとどまる|伸びている市場ほど地方に泊まる【宿泊旅行統計 2026年8月】
観光庁は2026年10月30日、宿泊旅行統計調査(2026年8月・第2次速報、9月・第1次速報)を公表しました。8月の外国人延べ宿泊者数は1,239万人泊で、前年同月比12.0%減。ただし減少の大半は中国によるもので、台湾・韓国・香港などは前年を上回りました。三大都市圏と地方部で比べると、地方部の落ち込みは4.9%減と小さく、外国人宿泊に占める地方部の割合は上がっています。当社で国籍別・都道府県別に数字を整理し、押さえておきたい点を3つにまとめました。
※9月(第1次速報)は1,165万人泊(前年同月比9.2%減)。2026年1月分の調査から、標本の分け方が「従業者数」から「客室数」に変わっており、前年比には見直しの影響が含まれる可能性があります(観光庁)。
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1減少の大半は中国。中国を除くと前年比+10.2%
国籍別(客室数20室以上の施設)に見ると、8月の外国人延べ宿泊者数は前年同月から約85.5万人泊減りました。このうち中国1市場で約172.3万人泊の減少(166.9万人泊、前年同月比50.8%減)です。その一方で、韓国(+27.9%)、台湾(+16.1%)、香港(+12.3%)、米国(+5.6%)は前年を上回りました。
前年同月との差(人泊)。客室数20室以上の施設の集計のため、全施設の合計(1,239万人泊)とは一致しません。
中国を除いて計算すると、8月は前年同月比+10.2%です。国籍別の順位は1位台湾(198.7万人泊)、2位中国(166.9万人泊)、3位韓国(156.8万人泊)で、上位5市場で全体の61.8%を占めます。訪日外客数と同じく、宿泊でも「中国が減り、他の市場が伸びる」動きが続いています。
2地方部の落ち込みは小さい。伸びている市場ほど地方に泊まる
8月の外国人延べ宿泊者数は、三大都市圏(埼玉・千葉・東京・神奈川・愛知・京都・大阪・兵庫)が15.6%減だったのに対し、地方部は4.9%減にとどまり、地方部の割合は前年同月より2.7ポイント上がりました。1〜8月の累計でも、三大都市圏11.7%減、地方部3.2%減と同じ傾向です。
背景にあるのは、市場ごとの泊まる場所の違いです。1〜8月の累計で、延べ宿泊者数のうち地方部の割合を市場別に見ると、伸びている台湾・韓国・香港は半分前後が地方部なのに対し、中国は3割にとどまります。中国の宿泊は7割が三大都市圏に集まっているため、中国の減少が都市部の数字を大きく押し下げた形です。
| 市場 | 地方部の割合 | 三大都市圏の割合 |
|---|---|---|
| 台湾 | 53.8% | 46.2% |
| 韓国 | 51.9% | 48.1% |
| 香港 | 49.5% | 50.5% |
| タイ | 40.0% | 60.0% |
| 外国人全体 | 34.5% | 65.5% |
| 中国 | 29.6% | 70.4% |
| 米国 | 17.7% | 82.3% |
2026年1〜8月累計・客室数20室以上の施設。各月の第2次速報(参考第1表)から当社集計。
8月に前年を上回った県(外国人延べ宿泊者数5万人泊以上)は次のとおりです。
どの市場がどの県に多く泊まるかは、市場によってはっきり違います。外国人全体と比べた割合で見ると、韓国は愛媛・佐賀・鹿児島、台湾は福島・岡山・宮城が高く、こうした「市場と地域の組み合わせ」は当社の国籍別の宿泊地図で確認できます。
3「1泊当たり」で見ると、滞在の短い市場も見劣りしない
宿泊の数字は「人数×泊数」なので、滞在が短い市場は小さく見えがちです。そこで観光庁「インバウンド消費動向調査」2026年7-9月期(1次速報)の集計表から、観光・レジャー目的の旅行者の平均泊数と1人当たり旅行支出を使い、1泊当たりの支出を当社で算出しました。
| 市場 | 平均泊数 | 1人当たり旅行支出 | 1泊当たり(当社算出) |
|---|---|---|---|
| 中国 | 6.7泊 | 26.4万円 | 3.91万円 |
| 香港 | 6.3泊 | 22.3万円 | 3.54万円 |
| タイ | 6.4泊 | 19.3万円 | 3.03万円 |
| 米国 | 11.0泊 | 32.6万円 | 2.96万円 |
| 韓国 | 3.5泊 | 10.3万円 | 2.90万円 |
| 全体 | 7.1泊 | 20.3万円 | 2.85万円 |
| 台湾 | 6.1泊 | 16.8万円 | 2.74万円 |
| フィリピン | 7.2泊 | 15.4万円 | 2.14万円 |
| ベトナム | 7.6泊 | 13.1万円 | 1.72万円 |
観光・レジャー目的の旅行者(業務・留学などを除く)。1泊当たり=1人当たり旅行支出÷平均泊数。買物代など泊数に比例しない支出も含みます。平均泊数は平均値のため、長く滞在する人が多い市場ほど大きくなります。
韓国は平均3.5泊・1人当たり10.3万円と、全体(7.1泊・20.3万円)のほぼ半分ですが、1泊当たりでは2.90万円と全体(2.85万円)と同じ水準です。反対に米国は1人当たりが32.6万円と最も多い一方、11.0泊と滞在が長いため、1泊当たりは2.96万円になります。人数・1人当たり・1泊当たりのどれで比べるかによって、市場の見え方は変わります。
今後の公表予定
| 時期 | 統計 | 対象 |
|---|---|---|
| 11/18 | JNTO 訪日外客数 | 2026年10月(推計値) |
| 11/30 | 観光庁 宿泊旅行統計調査 | 9月(第2次速報)・10月(第1次速報) |
| 12月下旬 | 観光庁 インバウンド消費動向調査 | 7-9月期(2次速報) |
9月(第1次速報)は前年同月比9.2%減と、8月より減少幅が小さくなりました。第1次速報は全国の合計だけのため、国籍別・都道府県別の動きは11月30日の第2次速報で確認できます。
外国人宿泊のデータはインバウンドデータページで
都道府県別・国籍別の宿泊を、地図とグラフでご覧いただけます(毎月更新)。
- 国籍別の宿泊地図(外国人全体と比べて多く泊まる県)
- 2つの国・地域を並べた比較
- 上位10都道府県と、三大都市圏・地方部の割合
- 市場別サマリー(滞在日数と1泊当たりの比較つき)
出典:観光庁「宿泊旅行統計調査」(2026年8月・第2次速報、9月・第1次速報、2026年10月30日公表)、同 2026年1〜8月の各月第2次速報 集計結果(参考第1表)。観光庁「インバウンド消費動向調査」2026年7-9月期(1次速報)集計表 参考6・参考7。観光庁 宿泊旅行統計調査
国籍別・市場別の割合、増減数、中国を除く前年比、1泊当たりは公表値をもとに当社が算出。2026年1月分から北欧地域・中東地域・メキシコを個別に集計しているため、「その他」の前年比には区分変更の影響が含まれます。第1次速報・第2次速報の数値は今後の公表で修正される場合があります。
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