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コラム

中国「618商戦」、進化する販促戦略と日本ブランドの中国進出のチャンス

中国のEC市場における重要な販促イベント「618商戦」が、2025年も進化を続けています。元々は京東(ジンドン)の創業記念日に合わせて始まったこのセールイベントですが、現在ではタオバオ、Tmall、Douyin(TikTok中国版)、Suning、Fliggyなど各大手ECプラットフォームが参入する巨大なEC商戦へと発展しています。

商品割引方法の多様化

2025年の618商戦では、各プラットフォームが5月中旬から前倒しでセールを開始するなど、セール期間が長期化しています。新浪財経によりますと、タオバオやTmallでは「公式即時割引」を導入し、購入時点での即時割引やVIPクーポン、業種別割引などを組み合わせた割引方式を採用。価格保証制度の導入により、商品価格を事前に値上げしてから割引する手法にも制限が加えられました。京東(ジンドン)は、食品デリバリー補助金と国家補助金を初めて統合し、特定日ごとのテーマ型セールを打ち出すなど、販促手法をさらに多様化。Douyin Mallでは、5月13日から6月18日まで長期間にわたり、即時割引を行います。Travel Dailyでは、Fliggyでは旅行・観光分野において、事前予約型商品の拡充などにより、夏商戦との連携が強化されたと報じられています。

「618商戦」は「W11」への布石、日本ブランドにとっての戦略的意義

新華社によると、中国のインターネットユーザー数は2024年12月時点で11億800万人に達し、普及率は78.6%。巨大なネット人口を背景に、企業はブランド価値を高める取り組みが継続的に求められています。企業にとって618商戦は単なるセールイベントではなく、11月に控える中国最大のEC商戦「W11(ダブルイレブン)」へ向けた布石でもあります。多くの企業が618商戦で新規ユーザーを獲得し、その後の再購入やブランド想起を促進する戦略を展開しています。中国市場で長期的に成功するためには「ブランドロイヤリティの構築」が不可欠といえるでしょう。618商戦をマーケティング分析し、W11に向けた販売戦略及びブランド認知を拡大し、年末のW11に向けた確実な布石を打つことが成功の鍵となるでしょう。中国をターゲットとしたインバウンドプロモーションのご相談も承っておりますので、ご相談ください。

「参考資料」

フリギー(Fliggy)618セール、5月13日夜8時スタート — 参加店舗数・商品数ともに過去最多を更新 Travel Daily(中国)

天猫(Tmall)や蘇寧易購(Suning.com)などのECプラットフォームは、「618」セールの予約販売を開始すると発表 新浪財経(中国)

中国のネット利用者数、11億人超 普及率78・6% 新華社

このコラムを書いた人

藤田(Fujita) プロフィール写真
藤田(Fujita)
グローバル・デイリー / 広報部
媒体部兼進行部の経験を経て、海外のプロモーション会社や出版社とのパートナーシップを築いてきた。各国のトレンドや需要を抑えながら、企業のニーズに沿ったインバウンドプロモーションについて長年にわたり従事。

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