contact openお問い合わせ
こちらへ
コラム

[韓国] 2024年最大の連休、お盆(チュソク)における韓国人の海外旅行動向

韓国🇰🇷の「チュソク(추석, Chuseok)」は、旧暦の8月15日にあたる韓国の伝統的な祝日で、日本の「お盆」に相当する行事。秋夕(チュソク)は、韓国で最も重要な連休の一つであり、多くの韓国人が家族と一緒に過ごすために帰省します。期間中は多くの人々が帰省や旅行を行うため、交通機関や観光地は非常に混雑します。

中秋の名月が日本では十五夜に当たるため、満月が象徴的に使われています

特徴としては、ソンピョン(송편)と呼ばれる半月形の餅が一般的に作られ、中にはごまや豆、栗などが詰められ、先祖への供物としても用いられます。

秋夕(チュソク)の時期には、新大久保のスーパーマーケットで様々な味のソンピョンを見かけることができます。

<なぜ、チュソクに海外旅行を?>

年々、特に若い世代を中心に、家族との時間よりも個人の休暇やリフレッシュを重視する傾向が強まり、チュソク連休を利用して海外旅行に出かける人が増えてきています。

特に、今年は、猛暑と歴代最長の熱帯夜が続く中、暑さを避けて休暇を先延ばしにしていた旅行需要が、今年の秋夕(チュソク)連休に集中する見込みです。夏のピークシーズンよりも比較的混雑せず、涼しくなるこの時期を利用する、いわゆる「遅めのバカンス族」が増えているのです。

 

<2024年韓国の秋夕(チュソク)の連休はいつ?>

2024年は9月17日(火)が秋夕の当日です。 土・日曜を含めると、9月14日(土)から9月18日(水)までの5連休で、休暇を2日追加することで最長9日間の連休が可能となります。

 

さて、過去最大の訪日韓国人客数を記録した8月に続き、韓国最大の海外旅行客が予想されるチュソク期間の日本旅行動向について、早速調べてみました。

 

<8月1日〜20日、日本路線の利用客(出入国合計)は約138万5,000人>  

※ 8/25  韓国 国会国土交通委員会所属のイ・ヨンヒ(李妍姫)共に民主党議員室 (仁川国際空港公社と韓国空港公社のデータベース)

仁川空港では98万9,000人が、金浦空港を含む6つの国際空港では39万6,000人が日本路線を利用。昨年同期間(114万7,000人)に比べて20.8%が、先月同期間(130万3,000人)に比べて6.3%増加した数字であります。

日本の九州南部、宮崎県で発生した地震の影響で、日本政府が大地震の注意報を発令した8月8日から15日までの間でも、日本路線の航空便利用者数には大きな変動はありませんでした。この期間の日本路線利用者数は55万8000人で、前年同期間(44万人)に比べて26.8%増加しました。

特に、4日間にわたる光復節連休(8月15日~18日)にも、日本路線には26万9000人が利用し、昨年の光復節連休(8月12日~15日、22万1000人)に比べて21.4%増加しました。第7号台風「アンピル」の影響で、光復節連休中の16日~17日にかけて日本路線の多数の航空便が欠航となったにもかかわらず、利用客数は減少しなかったのです。

業界関係者は地震や台風などの悪条件にもかかわらず、キャンセルや変更の要請は顕著に増えておらず、日本政府の注意報が解除された後は再び需要が高まっている」とし、「まだ円安が続き、安価な航空券の供給が続いているため、当分の間、日本旅行の需要は続くだろう」と見通しています。

 

<来月の秋夕(チュソク)連休を前にした海外旅行の最新動向と予約状況>

パッケージ旅行

来月の秋夕(チュソク)連休を利用して海外旅行に出かける旅行者が増え、主要旅行会社のパッケージ予約率は増加しています。

ハナツアーは今年の秋夕連休(9月16〜18日)を前に、来月13日から15日までに出発する海外旅行パッケージの予約件数が、昨年の秋夕連休初めの3日間(9月28〜30日)に比べて10%増加。地域別の予約比率では、来月13〜22日出発基準で東南アジアが1位(39%)。続いて日本(23%)、中国(18%)など近距離路線が上位を占め、連休を含めて最長9日間休める点が反映され、ヨーロッパ旅行者の割合も13%を占めているそうです。北海道帯広への大韓航空単独チャーター便は、予約率が90%に達し、残席がほとんど残っていないと。一方で、福岡、大阪、名古屋へのチャーター便にはまだ残席がある状況

ノランプンソンの場合、来月13日~15日に出発する旅行商品の予約件数が、昨年の秋夕(チュソク)連休初めの3日間に出発した商品の予約件数に比べて20%増加しました。特に、昨年の秋夕と比較して、日本旅行の予約は80%、中国旅行の予約は100%それぞれ増加しました。また、フィリピン(166%)、ベトナム(40%)など東南アジア旅行商品の予約増加率も目立っています。

モドゥツアーなどその他の主要な旅行会社も、同様の傾向を示していると伝えられています。

宿泊プラットフォーム

ホテルズドットコムによると、今年の秋夕(チュソク)連休期間中の海外旅行に関する検索量は、昨年の同期間に比べて40%増加しました。秋夕連休の旅行検索の半分は、家族や団体旅行が占めているそうです。

 

航空券

大韓航空

仁川~岡山路線を今月3日から週3回から5回に増便し、来月2日からは仁川~鹿児島路線も週3回から5回に増便します。また、9月2日から10月26日までの期間は、仁川~大阪路線を1日3回から4回に増便する予定です。さらに、秋夕(チュソク)連休中には、ハンジントラベルのチャーター便を利用して長崎へ3回運航し、10月27日から大韓航空が定期便の再運航を開始する予定です。

アシアナ航空

7月から成田路線を週28回運航しており、今月29日まで沖縄路線を最大週13回まで増便運航します。アシアナ航空は、秋夕連休期間中の9月14日から18日まで、仁川発を基準にして大阪へ8便、沖縄へ8便、宇部へ8便、福岡へ4便、札幌へ4便、宮崎へ4便の不定期便を追加運航する予定です。

 

チェジュ航空

仁川~東京(成田)、大阪、福岡、名古屋、札幌、松山、静岡、広島など14の韓日路線を運航しています。来月14日からは、仁川~鹿児島路線の再運航を週3回のスケジュールで開始します。2019年3月に運航を停止してから5年7ヶ月ぶりの再運航となります。

 

ジンエアー

現在、釜山から成田(東京)、大阪、福岡、札幌、沖縄などの日本路線を運航しています。5月には仁川~宮古島路線、7月には仁川~高松路線を新規就航し、来月14日からは週7回のスケジュールで釜山~名古屋路線に新規就航します。

 

エアプサン

昨年の松山定期便の就航により、釜山から日本の主要4島(本州[東京・大阪]、九州[福岡]、北海道[札幌]、四国[松山])すべてへの運航を実現しました。エアプサンは来月16日から10月26日までの期間中、釜山~松山路線を週3回から週5回に増便運航する計画です。

 

業界関係者は、「地震や台風、円安から高へといったネガティブな要因が重なっても、日本旅行の需要は依然として堅調です。距離が近く、比較的負担が少ないためです。また、今や大阪や東京、福岡といったおなじみの都市だけでなく、多様な地方都市への就航路線が増えたことも、日本行き需要を後押ししています。しばらくは日本旅行の需要がさらに増加する見込みです」と述べています。

 

2024年最大の連休である秋夕(チュソク)を利用した韓国人の海外旅行動向を見てみましたが、特に日本への旅行需要は今後も増加が見込まれます。(まだ)円安や多様な旅行先へのアクセスが向上したことで、韓国人にとって日本旅行はますます魅力的な選択肢となっています。

内容も以下のキーワードでまとめてみますと、

  • 円高になる前に  日本旅行をより手頃にする要因として、引き続き注目されています。
  • 地方都市への関心 大阪や東京などの定番都市に加えて、地方都市への関心が高まっています。
  • 遅めのバカンス 夏のピークを避け、涼しい季節に旅行を計画する人々が増加中。
  • 家族・団体旅行 秋夕連休の検索では、家族や団体旅行が大きな割合を占めています。
  • 旅行需要の持続性  地震や台風といったネガティブ要因にもかかわらず、旅行需要は堅調に推移しています。

こうした動向を注視し、旅行トレンドを的確に把握することで、訪日韓国人をターゲットとしたインバウンド施策の精度をさらに高めることができるのではと思います。。引き続き、韓国の旅行動向に関する情報を発信してまいります。

※ 現在、10月1日の国軍の日が、1990年以降34年ぶりに再び休日に指定される見込みで、政府が検討中です。10月3日の開天節と合わせて、1日から6日まで最大6日間の連休となる可能性が高まっています
9/4 Up-Dated 10/1国軍の日を臨時公休日に指定。9/3火 閣議で決定