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コラム

YouTalk|VOL. 01 GLDの「マップ」を描く、台湾の「昭和女子」

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訪日外国人数の右肩上がり、立て続けに控える国際イベント、ITテクノロジーの劇的な革新など、今の日本にとって、これらのイシューを全て抱き合わせる最も熱いキーワードは「インバウンド」であることに異見を唱える人は少ないと思います。

そんな「時の業界」のど真ん中で、Link the Worldというスローガンを実現すべく、様々な国籍のメンバーたちが日々奮闘するグローバル・デイリー。お国柄や文化の多様性が色濃く、個性・感性・クリエイティブあふれる彼らの日常を俯瞰してみると、まるで賑やかな世界地図の縮小版みたいで、ここから生れるインバウンドプロモーションの「面白さ」の理由がわかります。

ということで、この企画は、グローバル・デイリーでそれぞれの役割を担い果たしているセクションと、そのメンバーの一員である、百人百色の “YOU”にフォーカスし、仕事の話、業界の話、考え方の話などを “TALK”しながら、インバウンドプロモーションの「今」をつくる人たちからのヒントを探す、インタビュー形式のコラムです。

題して…<YouTalk>

その第1弾は、広告プロモーションの「マップ」であり「ブレイン」とも言える、ソリューション・プランニングを担当する「昭和生まれの台湾女子」を “YOU”に招き、いろんなお話をしてみました。

≫ YouTalk VOL. 01
 THEME:GLDの「マップ」を描く、台湾の「昭和女子」
 TALK: “Naomi Tsai” - SP(Solution Planning)セクションリーダー
 DATE:2019.10.08
 PLACE:グローバル・デイリー 茶室

Q:まずは、自己紹介を。

Naomi:
名前は「蔡詩孅(さい・しせん)」通称は「Naomi」です。台湾出身の中途入社5年目で、日本生活は7年目。前職は小さな日本のコスメメーカーの台湾支社で、オフィスの閉鎖がきっかけで本社のある日本へ移動となりましたが、本社も事業撤退することとなり、東京での転職を決心、元からの希望であった「台湾の人々に日本の魅力を伝える仕事」を実現できるグローバル・デイリーに入社しました。

Q:どんな仕事をしてますか?

Naomi:
SPセクションは(solution Planning)の略。営業セクションをサポートし、業績を確保するチームです。企画の立案は、案件の大小問わずメディア選定、市場調査、戦略樹立など、課題解決のためのあらゆるアクションを行っています。また、様々な業務管理システムを通し案件のプロセスをコントロールしています。あと、定期セミナーとしてクライアント様をお招きし「いんばうんど茶会」を月2回開催しています。これ、間接的ではありますが、業績に多大な貢献をしているんです!

Q:今のインバウンド市場を、3つのキーワードで答えるとしたら?

Naomi:
①スポーツ ②中国 ③情勢

Q:その心は?

Naomi:
スポーツは、ご存知の通りですね(笑)。中国は、最近月間訪日数が100万を超えはじめていることと、変化の速い市場なので常に注目しています。そして情勢は…韓国のようなケースがほかの国でもないとはいえないので、リスク管理が必要だと思います。

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Q:ソリューションプランナーとして重視していることは?

Naomi:
エンドユーザーのニーズを把握すること。クライアントの課題を見いだすこと。一歩先の市場に立って、ジャストな戦略を組み、提案すること。

Q:では、「外国籍」のソリューションプランナーとして重視していることはありますか?

Naomi:
私を含め、外国籍メンバーは自己主張が強い傾向があります。それは、外国人の観点を持っているということなので、建設的でいいと思いますが、日本のクライアント様とのコミュニケーションにおいては、バランス感覚が大事だと思います。例えば、現地市場やトレンドに対する考え方は、現地目線での考え方が優位ですが、これをできるだけわかりやすく伝える上で、一方的な主張にならないようにするなどの工夫を心がけています。

Q:なるほど。では、日本で生活していると、その外国人目線が鈍くなったりすると思うのですが、現地のトレンドやインサイトはどのようにキャッチしているのですか?

Naomi:
一言で「SNS」ですね。特にfacebookのファンページなどをこまめにチェックします。日本の話題ですら日本好きの台湾人のSNSで入手するくらいですから(笑)。それに、台湾現地のトレンドや市場現況については、SNSでできる個人コミュニティでのソーシャルアンケートをとったり、お付き合いしている現地メディアの担当者とのコミュニケーションで把握したりしています。

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Q:最近、中華圏では「KOL」に代表されるインフルエンサーを活用したプロモーションが主流になっていますが、これについてはどう思いますか?

Naomi:
先々は見えませんが、予測するにはインフルエンサーの勢いは続くと思っています。ただ、今まで変化してきた様子を見ると、「プラットフォームの変化」は引き続き起きると考えます。その変化によって、誰でもインフルエンサーになれる時代が来るでしょう。すでに中華圏では「マイクロインフルエンサー」など、かなり細分化された口コミPRの形態が流行り始めています。こんな感じのKOLが主流になるのではないでしょうか。

Q:逆に、既存のメディア(TV、紙媒体など)についての考えは?

Naomi:
実は私、昭和生まれ(笑)なので…世代的な感覚値は異なるかもしれませんが、テレビと本(紙)はなくならないのでは?と思います。効率的な部分ではなく、感性の部分で。今の世代でも初めて行く国のガイドブックは買って所有するとか、媒体が持つリアリティの質感があって、TVというマスメディアも、媒体の基盤として色々なメディアを繋ぐ役割をし続けるだろうし、WEBやSNSがカバーできない領域が必ずあると思いますね。

Q:最近没頭しているプロジェクトは何ですか?

Naomi:
間近ですと、11月に台湾で開催される「ITF(台北国際旅行博)」ですね。2014年から毎年「JAPANKURUブース」を企画出展しているのですが、去年まで4年連続でブース賞を頂いているほど現地での評価が高いので、今年もその期待にプレッシャーを感じながらも「昭和レトロ」のコンセプトで準備を進めています。

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Q:昭和生まれだから?(笑) いや、奇抜なコンセプトですね。どんな想いを込めての昭和レトロなのでしょうか?

Naomi:
事の発端は、今までのJAPANKURUブースは「日本っぽさ」を強調してきたのです。昨年は「インスタ映え」のコンセプトでフォトスポットを設置したりして、色々とアレンジをかけてきたのですが、現地主催側である台湾観光協会の担当から「もう少し日本っぽさを出して欲しい」というオファーがあったものの、さすがに6年目となると出し切った感が出てしまって…。ただ、一つだけ、昔からやってみたかった「昭和レトロ」のコンセプトがあったけど、これが果たしてウケるのか、その凝り具合をどう出すかで悩んでいて、現地で長年パートナーとして組んでいる施工会社の担当に相談したところ、彼女もこのコンセプトに同調してくれて本気で乗ってきたので意気投合しました。昭和というキーワードは、自分の趣向だと思っていたけど、台湾人にとっても十分共感を得られるテイストであったのです。

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Q:そうなんですね。いわれてみると、台湾の街並みって、どことなく昭和っぽい感じがした気もしますね。
そういえば、グローバル・デイリーで「店長」と呼ばれているんですよね?

Naomi:
あ、いんばうんど茶会のことですね?

Q:元々、インバウンドセミナーを企画していたNaomiさんが立ち上げた「インバウンド茶会」が、もう30回目を突破しましたが、感想を聞かせてください。

Naomi:
いんばうんど茶会は、アナログでシンプルなセミナー「っぽい」会ですけど、活用次第でメリットは無限に広がると思います。普段外国籍の人々とコミュニケーションする機会のない、企業のPR・販促・インバウンド担当の方々にとっては、想像以上の知識やヒントを持ち帰れる場ではないかと思います。
最近始めた、スピンオフ的な「戦略茶会」においては、自社の商品に対する外国人の率直な意見をその場でキャッチすることができるので、サンプリングやアンケートよりもっと深く、ダイレクトな情報を把握できる有意義な会でもあります。肩の力を落として、お茶とともにコミュニケーションをとる。その会話こそが生のセミナーとして皆さんに役立つと思っています。

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Q:最後に、Youtalkのオフィシャルクエスチョンです。何でも構いません。あなた(You)のことば(Talk)を一言、どうぞ。

Naomi:

“子供の頃から日本が大好きでした。もっと日本の良さを外国人に伝えたいので、台湾だけじゃなく、世界の架け橋になりたいです。みんなでインバウンド市場を盛り上げていきましょう!”