ヒットするインバウンド向け商品を3秒で見分ける方法 売れるかどうかは、検索エンジンで一目瞭然
8月も後半に入り、中国の新学期は9月ですから、夏休みシーズンもいよいよ終わりに近づいています。
株価暴落、景気減速とよくないニュースが飛び込んでくる中国経済ですが、新宿や秋葉原、銀座、大阪の心斎橋、京都などは相変わらず訪日中国人でごった返しています。
前回の「中国人にまだまだ爆買いしてもらう方法」では、日本旅行を予定している中国の人たちの情報源について紹介しました。もう一度整理してみると、ポイントは下の5つになります。
1.SNS上の日本での購入体験に関する書き込み
2.ソーシャルバイヤーの宣伝書き込み
3.香港、台湾からの情報
4.ECサイト上の評判書き込み
5.メディアの日本に関する情報発信
日本で爆書いする中国人は以上のようなチャネルを通じて日本製品の情報を収集し、大量購入する化粧品や医薬品を決めています。このチャネルにいかに自社や自社製品に関する情報をのせるかが非常に重要であることを前回説明しましたが、今回は、実際に自社や自社商品の情報を訪日中国人の情報収集チャネルにのせるために大切な第一歩「商品名の認知」についてご説明します。
爆買い商品の候補になるか3秒で確認する方法
自社の商品が訪日中国人の爆買い候補になればいいなと思っている方はたくさんいらっしゃると思いますが、いざ実際に候補になるために具体的に何をすれば良いのか、となると考えこんでしまうのではないでしょうか。
お買物リストにのると売れるわけですが、リストにのるのは評判が広がった結果であって、何もないところから狙ってリストにのせるのは至難の業です。
でもご安心ください。得策がまったく思いつかなくても、今すぐ自社の製品が訪日中国人の爆買い候補になるかどうかを確認することはできます。しかも、その方法はとても簡単です。それは、「中国の検索エンジンの検索窓に自社製品の名前を入力してみること」です。中国語が分からないという人でも大丈夫、検索エンジンは簡単なページ構成ですから使い方は簡単です。入力するのは日本語の商品名で問題ありません。
下のキャプチャー画像は実際に中国の検索エンジンに、とある日本の商品の名前を入力してみた結果です。
検索結果の表示で爆買い候補になるか分かる
ここでは、実際に自社の商品を検索窓に入力して検索結果が表示されている状態だと仮定して説明を続けたいと思います。いかがでしょう、商品名はどのように表示されていますか。予想される結果としては下の4つのパターンがあると思います。
1.表示されない(自社商品が検索にひっかからない)
2.日本語あるいは英語の商品名が表示された
3.中国語で商品名が表示されたが、いろいろな呼称があるように見える
4.中国語で商品名が表示され、呼称はその1つだけのように見える
これら4つのパターンについてそれぞれ説明していきます。
1.表示されない
自社商品が検索にひっかからないということは、中国のネット上に自社商品の情報が流れていないということになります。まずは商品情報が流れるための対策を最初から考える必要がある状態です。
2.日本語あるいは英語の商品名が表示された
自社商品に関する情報が中国のネット上に流れてはいますが、商品名の表記が日本語あるいは英語なので、多くの中国人は理解、認知することができません。ここからより最適化してく必要があるという状態です。
3.中国語で商品名が表示されたが、いろいろな呼称がある
検索結果で自社商品が中国語表記で表示されるということは、中国側で誰かが既にその商品を中国語に翻訳しているということになります。この翻訳を行っているのは前回も紹介したメディアやソーシャルバイヤーと呼ばれる人たちです。いろいろな呼称があるということは、いろいろな人たちが自分の好きなように中国語の商品名をつけている状態です。
日本旅行前に実際にその商品を日本で買おうと考えている場合、呼称が複数あるのでそれらの名前が全て同一の商品であると確認することが難しく、理解や認知の障害になる恐れがあります。複数ある呼称の中から最も影響力があり、認知されやすい、人気になりそうな呼称に集約するための情報発信戦略を考える必要がある状態と言えます。
4.中国語で商品名が表示され、呼称はその1つだけのように見える
おめでとうございます。その商品は相当に有望です。日本旅行を予定している中国の人たちが爆買いする商品の候補になる可能性がとても高い、いや、もしかしたら既に候補になっているかもしれません。あとは、いかにこの状態を継続しつつ、さらなる情報発信や施策の実施によって理解や認知、人気を加速、促進させるかが重要です。
自社商品の名前が全て漢字の場合は、中国の人たちに理解、認知してもらことがとても楽になります。中国のほうで中国語表記を考えるというステップが省略されるので比較的スムーズに商品名が認知されやすいのです。つまり、商品名は「日本語(全部漢字の商品名)>英語>平仮名、カタカナを含む日本語」の順に、爆買い候補になる可能性があると言えます。
なぜ、検索結果の表示が爆買い候補になるために重要か
では、なぜ中国語で、かつ1つの呼称で定着していることが、爆買いの候補になる上でとても重要なのでしょうか。それはとても簡単な理由で「中国語のほうが入力しやすくて、伝えやすいから」です。
例えば、張さん(仮名)は先週、日本へ旅行してきました。お土産をどっさり購入して皆に配って得意満面です。日本のことなら俺になんでも聞けと、おおいに面子も立ちました。それから数日後、張さんの友人の李さん(仮名)も、張さんのそんな話に刺激を受けたのか、日本へ旅行することになりました。
そこで李さんは張さんに「日本でお土産に風邪薬とか買いたいと思うんだけど、おすすめの薬ってあるかな」と、チャットアプリのWechatで質問してみました。張さんは早速、李さんに自分が日本で購入したおすすめの薬を教えようと思います。
ここで、中国語の商品名が威力を発揮します。張さんはWechatで中国語の名前を入力して李さんに送るかもしれません。あるいは、ボイスチャット機能で商品名を教えてあげるかもしれません。
これが日本語の商品名しかなかったらどうでしょうか。張さんは日本語が分かりませんから、日本語の商品名をテキストで送ることも、ボイスチャットで名前を教えてあげることもできません。写真を送ればいいと思うかもしれませんが、李さんもこの後、その商品について情報収集したいと考えているのでパッケージの写真だけではとても面倒です。
簡単に言えば、中国語の商品名を持っている強みは「商品に関する情報が素早く、大規模に広がる」という点にあるのです。それも固定された1つの中国語商品名であれば、複数の呼称があるよりも効率的ですし、爆買い候補になる可能性が高まります。
これはメディアやソーシャルバイヤーが商品に関する情報を発信する際も同様です。中国語の呼称があるほうが圧倒的に効率が良いのです。日本へ旅行する前に情報を収集する場合でも、中国語の名称があるのと、日本語しかないのでは、収集スピードは雲泥の差ですし、最終的にはこうした小さいと思えるような点が爆買い商品になるかならないかの差として現れるのです。
当然ながら、中国語の商品名があるだけで必ず売れるというわけではありません。しかし、それがあることで評判が拡大するスピードがアップすることは確かなのです。
訪日中国人が日本で爆買いする商品にも流行があります。そしてその人気は移ろいやすいものです。次の爆買い商品になるかならないかは、「そんな小さな部分で」と思うことで決まってくることもあるという点を知っておいていただければと思います。
今回は、自社商品が爆買い候補になる可能性を簡単に調べる方法、つまり、検索結果から自社商品の現状を判断する指標、そして中国語の商品名があることの重要性とその理由を紹介しました。
次回は、化粧品や医薬品カテゴリーを例に、本日紹介した情報発信戦略について詳しく考察していこうと思います。
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