ビジネストラベルに関する調査報告書からみる訪日MICE旅行の今後①
今回のインバウンドニュースは、現在観光旅行に付帯し注目されつつある日本を目的地としたビジネストラベル――MICEに係るものである。
※MICEとは、「Meeting, Incentive Travel, Convention, Exhibition/Event」の頭文字をとったもので、ビジネスでの商談や海外研修、研究・学会の発表などとパブリックな旅行を示す。そして、基本的に役職の高いもしくは名高い方々がMICEとして訪れる傾向にあるため、消費は一般旅行客のそれとは全く違った動向や額を示す傾向にある。
2017年4月、米国のトラベルポート社(Travelport)及び、世界旅行観光評議会(WTTC:World Travel & Tourism Council)によって、調査・作成されたビジネストラベルに係るレポートがリリースされ海外のニュースにも取り上げられている。
これは、世界のビジネストラベルにおける消費額を基に調査・分析がされているものだ。本レポートの冒頭では、ビジネストラベルは国際経済を担う重要なモノの一つであることが述べられている。そしてその消費額は、2027年にいたるまでに、毎年3.7%ずつ増加するという予測が立てられている。
興味深いことに、日本は世界で見てもとても高い水準でビジネストラベルを通して国際経済に対して貢献していることが分かった。「2016年業務渡航貢献ランキング」では、日本は5位に位置しており、「2016年旅行総貢献ランキング」においては、4位を記録している。このレポートでは、2027年の日本の上記のランキング予測も立てられており、両方とも5位に位置する見込みとされている。
他にも、現在訪日旅行で注目されている海外市場もランクインしており、アメリカは1位、中国は2位、イギリスは3位、フランスは7位など、訪日のビジネストラベルに於ける可能性を十分に孕んでいるものと言えるだろう。
そこで気になるのが、今後当たり前のように増えていくであろうこのMICEの市場において、世界のビジネストラベラーが懸念していることは何かという点だ。それは、「安全性」に対する懸念が圧倒的に多く、その中でも、「テロリズム」に対する懸念が45%と断トツで、続いて「路上犯罪」が15%、「感染症などの集団発生」が13%、「盗難」が12%、「誘拐」が8%、「自然災害」が6%となっている。
日本国において特に危険視されている「自然災害」の割合が少なく、日本が得意としている安全管理の面においてのビジネストラベラーらの懸念が大きい事や日本の各自治体が地域の魅力を積極的に発信している現状から鑑みて日本という国は今後更にビジネストラベルのディスティネーションとして選ばれる可能性が非常に高いと筆者は推測している。
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