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グローバルニュース

三越伊勢丹、新宿に大型免税店 訪日需要取り込み 17年末までに開業目指す

三越伊勢丹ホールディングス(HD)が、東京・新宿に大型免税店を開業する方向で検討していることが分かった。消費税に加え、関税や酒税、たばこ税も免税となる市中空港型免税店とし、急増する訪日外国人観光客の買い物需要を取り込む。立地など早期に詳細を詰め、2017年末までに銀座に次ぐ首都圏2号店として開業を目指す。

 同社は、市中空港型免税店事業に力を入れている。外国人の売上比率が2、3割に達する三越銀座店(東京都中央区)は8階を全面改装し、沖縄を除けば初となる市中空港型免税店「Japan Duty Free GINZA」を今月中に開業する。このほか、来年4月に福岡三越(福岡市中央区)でも市中空港型免税店の新設を予定している。

 新宿の市中空港型免税店は、銀座や福岡のように店舗内には設けず、旗艦店の伊勢丹新宿本店(東京都新宿区)の近隣に別途つくる方向だ。同店と免税店を購入する品目によって使い分けてもらい、ニーズごとに顧客を着実に囲い込む狙いだ。

伊勢丹新宿本店も外国人客の免税売り上げが約1割に上るが、近隣の百貨店や総合免税店のラオックスなどとの競争も激しさを増している。消費税のみが免税になる「TAX FREE」から一歩踏み込み、関税やたばこ税、酒税も免除となる「DUTY FREE」のサービスを早期に提供する必要があると判断した。

急増する外国人客をめぐっては、中国人観光客などが団体で売り場を占拠し、他の客の買い物の妨げとなるといった問題も顕在化している。百貨店各社は、外国人専用の売り場や専用の待合スペース付き免税カウンターを拡充するなど対応を強化しているが、今後は建物を別にする取り組みも広がりそうだ。