東南アジアから観光客呼び込め
訪日外国人(インバウンド)の誘致支援に力を入れようと、情報サイトを運営するシーポイント(浜松市中区)は、タイ、ベトナム、インドネシア、マレーシアの四カ国の事業を主に統括する子会社を設立した。経済成長の著しい東南アジアに向けた企業や自治体の関心は高く、現地語表記のウェブサイトやSNS(会員制交流サイト)を活用した情報発信や市場調査を軸にサポートする。まず中部九県の官民組織によるインバウンド事業「昇龍道プロジェクト」に重点的に取り組む。
統括会社は「シーポイントアジア」で、グループが拠点を置く沖縄県浦添市に本社を置いた。シーポイントが100%出資し、資本金は三百万円。東南アジア事業全体の戦略立案をし、売上高は二〇一八年六月期で四億円を見込んでいる。
静岡県西部の情報ブログサービス「はまぞう(HamaZo)」を運営するシーポイントは、〇八年五月にタイに現地法人を設立したのを機に東南アジアでの展開を加速。昨年九月にベトナムに法人、今年六月にインドネシアに事務所を相次いで設け、マレーシアでも年内のサイト開設に向け準備を進めている。
矢継ぎ早に手を打つ背景には、インバウンド市場の急速な拡大がある。これら四カ国からの訪日者数は一四年に百十九万人と、この十年間で五倍以上に伸びた。ただ現地語による情報発信を得意とする競合先は少なく、ビジネスチャンスは大きいと見込む。
東南アジアで最初に進出したタイでは、会員二万二千人を抱えるタイ語のウェブサイト「JGB(ジャパン・ガイド・ブック)」を運営する。フェイスブックなどSNSによる情報発信サービスや現地ブロガーを集めたイベントも幅広く手掛けている。
企業や自治体から広報宣伝や市場調査の依頼は増えていて、これまでに浜松市をはじめ、神奈川県や福岡県、沖縄県から観光イベントや商談会、視察ツアーなどを受注した。大手食品メーカーから告知プロモーションを請け負うなど、業績を伸ばしている。
重点テーマに掲げる「昇龍道プロジェクト」推進に向け、シーポイントアジアの営業拠点は浜松市に置いた。第一弾のインバウンドセミナーを十四、十五両日、名古屋市中村区のアストラーレ名駅で開く。十四日は自治体向け、十五日は企業向けで、定員は各二十人(参加費二千円)。担当者の城間進さんは「誘客の成功事例や具体的なノウハウを紹介できれば」と話している。
(瀬戸勝之)