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ビジネストラベルに関する調査報告書からみる訪日MICE旅行の今後②

前回(5/1)のニュースで言及させていただいたビジネストラベル市場だが、今回はそのまとめとしてのインバウンドニュースである。

本ニュースの参考文献としているビジネストラベルにおける消費額を基にした調査レポートでは、5つの項目が提言されている。これらは、国や自治体などの国家単位で留意しなければならないものだが、企業においても参考になるものがあると筆者は考えている。

IBNEWS素材②

以下、提言対しての筆者の考える対策を述べるものとする。

① 技術に対する投資・・・最新の技術などが導入されればされるほど、興味関心は高くなり、彼らにとっての利便性も向上する。日本は、技術大国であることから、日本の様々な技術を積極的に海外に「魅せる」ことによってMICEの誘致向上に繋げられるものと推察している。

② VISAの緩和・・・渡航者にとってVISAの手続きなどが複雑で多ければ多いほど、時間もかかることから、ビジネストラベルのディスティネーションとして選ばれる優先度は落ちてしまう。しかし、過剰な緩和は日本の強みの一つである安全性を確保できなくなってしまう恐れがあるので、外客から見た日本の魅力の一つを無くさないためにも、慎重な対応が求められていると考えている。

③ インフラに対する投資・・・インフラに対する投資というと、とても壮大なイメージに繋がりがちであるが、旅行者から見て、行きたい場所に分かりやすくいけるように、目的地までのルートを「見える化」することもインフラに対する投資だと筆者は考えている。例えば、ある目的地・モノを海外に向けて情報を発信する際に、そこに辿り着くための道標となるモノや情報を写真などで分かりやすく伝えていくことが重要であると考えている。

④ サイバーセキュリティーに対する真摯な取り組み・・・これは、MICEを誘致促進していく中では、マストといえる項目である。セキュリティーが充実していればいるほどビジネストラベラーにとって行き先として選定するメリットになる。MICE誘致を積極的に考えている施設などは誘客するための先行投資としてサイバーセキュリティーに取り組む必要があると考えている。

⑤ ビジネストラベラーの需要を満たす・・・これは、すべてのことに対して言えることだが、ユーザー目線を忘れてしまっては、どれだけ投資をしたとしてもターゲットとしているCに対しては魅力的に映らない。日本にMICEで来ている外客が何を求めて他の国ではなく、日本へ来ているのかを追求し分析していく必要があると考えている。

受け入れ態勢が整っていないとよく耳にすることが多いが、受け入れ態勢が整っていない現状においても、Cから見れば魅力があり目的地として選定されている事実がある。今後も積極的・自発的に訪日外客に対する情報発信活動や態勢をいち早く整えていくことで、差別化を図ることもでき、より魅力あるものとして捉えられることだろう。

現在訪日する外国人の総数は右肩上がりであること、そして本レポートから見ることのできるMICE市場の安定的なレートでの拡大は、MICE訪日外客の増加と今後の訪日市場に更なる変化をもたらすものだと筆者は考えている。