Inbound News 2020.05.26 感染者ゼロの飛騨「新たな観光」探る


▲Photo by JAPANKURU

岐阜県の飛騨地活き3市1村は、政府の緊急事態宣言が全面解除された25日まで、新型コロナウイルス感染者を1人も出しませんでした。飛騨高山や世界遺産の白川郷、下呂温泉など日本有数の観光地がある地元では「奇跡的」との声が上がりますが、新型コロナが観光業に与えた打撃は甚大。
インバウンドの復活が見通せない中、業者や自治体は国内誘客に注力しつつ、「3蜜」回避のおもてなしや滞在型観光といった「新たな観光」を模索します。

県の非常事態宣言(4月10日)、国の緊急事態宣言の全国拡大(同16日)を受け、白川村の成原茂村長は、大型連休中の合掌造り集落「原則閉鎖」を発表。さらに高山市の國島芳明市長、飛騨市の都竹淳也市長と共に「飛騨はお休み中です」と来訪遠慮を求めるメッセージを出しました。下呂市の山内登市長も観光客に自粛を呼び掛けました。

5月14日に岐阜県で緊急事態が解除されましたが、飛騨・高山観光コンベンション協会(高山市)は、会員に㉛日まで営業自粛を求め、多くのホテルや古い町並みの土産物店などは休業を継続。白川村も白川郷閉鎖を解除していません。

観光業者が長期休業を受け入れた理由の一つに、「感染第1号になりたくない」という切実な思いがあります。
高山市のある経営者は「もし自分の所で飛騨地域初の感染者を出してしまったらどうなるか」と、イメージや看板に傷が付くことを恐れた一方、感染ゼロの維持について國島市長は「多くの市民が人との接触を控えた。『他人にうつしたら申し訳ない』という飛騨人の人情のたまもの」とコメント。

飛騨地域の宿泊施設や観光客向け店舗の多くは、6月1日に再開予定で、新たな観光について同協会の堀泰則会長は「インバウンド回復まで2、3年かかると想定し、まずは原点の国内旅行に立ち返る。各ガイドラインに沿って、浴場やロビーの入場制限など3密回避のおもてなしを目指す」と話す。白川村の60台店主は「合掌集落を見るだけの通過型観光から、文化体験などの滞在型観光を充実させる好機」と捉えます。

國島市長は、観光について「人が来る、人の移動で成り立つ産業で、感染防止との両立を図らねばならない。当面は近場、次に県外、さらに国内全域、少し先にインバウンド。段階的に誘客戦略を立てる」と再建を見据えました。

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