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関西空港、長距離路線誘致でアジア依存脱却へ

NEWS20191028
▲Photo by JAPANKURU

関西国際空港は、9割に及ぶ国際線のアジア依存から脱却すべく、欧米など長距離路線の誘致に取り組みます。

関空の国際線は、2012年のLCC専用ターミナル開業とともに、インバウンドの急増につながりましたが、週間の運航本数ベースで中国、韓国、台湾、香港の東アジアが76%、これに東南アジアを加えたアジアが91%を占めるようになりました。羽田(73%)や成田(63%)、中部国際(88%)と比べてもアジア依存度が高い現状です。

関西国際空港を運営する関西エアポートは、国際線の令和元年冬期ダイヤ(27日~来年3月28日)について、ピーク時の就航便数が、冬期としては開港以来最多の週1553便となるとの見通しを発表しました。旅客便は日韓関係の悪化などで韓国路線で前年冬期から108便(約31%)減る一方、新規就航が相次ぐ中国路線で168便(約40%)増え、国際旅客便は週1409便で、前年冬期の実績より69便増加する見通し。

来年以降を見ると、2020年6月にモスクワ線が就航、20年3月にはチューリヒ線も就航し、20年夏までに長距離路線の就航都市数が15から最低でも19に増え、長距離路線の拡大で多様な訪日需要を取り込みます。

新規就航路線の場合は着陸料や駐機料の引き下げを実施、関西を訪れる外国人観光客の動向を独自にまとめ、海外航空に採算性の高さを売り込んでおり、その成果としてアエロフロート・ロシア航空は20年6月にモスクワ―関空線を17年ぶりに再開します。ロシア線はウラジオストクに続く2都市目で、中型機のエアバスA330(229席)を週4往復し、主に観光客の利用を見込んでいます。

この他、スイス航空は20年3月にチューリヒ線を、同4月にはターキッシュエアラインズがイスタンブール線、カタール航空がドーハ線を就航します。脱アジア依存の追い風として、欧米から関西を訪れる観光客も増加しており、1~6月の関空の入国者数は欧州が14万7175人と前年同期と比べて1割増で、米国は11万1712人と2割が増えました。

もう一つの追い風としては、25年国際博覧会(大阪・関西万博)の開催やカジノを含む統合型リゾート施設(IR)の有力候補地となっていること。スイス航空は「万博の開催や国際会議などのMICEを受け入れる体制が整備されれば、ビジネスクラスやファーストクラスの需要増が見込める」と述べています。