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伊藤忠、中国人富裕層向け観光事業に参入

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伊藤忠商事は、カタログギフト大手のリンベルと、提携関係にあるタイの最大財閥チャロン・ポカパン(CP)グループの顧客ネットワークを活用した訪日観光事業に参入することを明らかにしました。
これは、同社にとって消費者のニーズをくみ取って事業に改良を加える新しい取り組みの第1弾としての位置づけとなります。

リンベルが提供する2泊3日ほどの複数の旅行商品を訪日客が自由に組み合わせられる旅行プランを、CPグループが持つ約10万人の中国人富裕層の顧客網を活用し売り込む仕組みで「コト消費」を主体とした商品販売を展開するとのことで、商品内容は利用者ニーズに応じて随時見直しながら、半年ほどの実証実験を踏まえ、2020年前半にもアリババグループが運営する中国最大級の旅行サイト「フリギー」への出店を検討します。

中国人客の旅行スタイルは、化粧品などを大量購入する「爆買い」から、個人や家族で日本の文化や自然を楽しむ「コト消費」へとシフトしつつあり、リンベルはカタログギフトのラインアップに宿泊や飲食などの体験も加えており、コト消費関連のノウハウを持っています。

事業の取りまとめを担うのは伊藤忠が7月に設立した「第8カンパニー」と呼ばれる新部署。ファミリーマートなど小売り関連のグループ会社を束ねた部署で、具体的な検討を始めてから2カ月程度で新事業を走らせました。
小さくともまず事業を始め、そこからニーズをくみ取りながら改良を加えるかたちで、入念に市場調査をしてから事業化の是非を判断する従来型のアプローチとは一線を画す試みとなっています。

伊藤忠は旅行事業で得られた需要データを、例えば物流や決済などインフラ改善に生かしたり、別事業との相乗効果を掘り起こしたりすることにつなげる考えで、BtoB(企業間取引)のイメージが強い従来型商社からの脱却を目指します。