韓国|「スシジャロ」流行、日本で肥満治療薬「マンジャロ」を安く処方してもらう遠征増加
韓国では、日本で肥満治療薬「マンジャロ」の処方を受けるために渡航する「スシジャロ」が広がっています。日本での価格が韓国の4~5分の1程度とされることに加え、円安も購入費用を抑える要因となり、旅行を兼ねて処方を受ける動きが見られます。こうしたなか、韓国の関税庁は輸入要件を満たさない持ち込みの取り締まりを進めており、専門家からは運搬時の温度管理や継続的な診療に関する懸念が示される一方、韓国内での価格負担を軽減するため、保険適用の拡大を求める声も上がっています。
韓国の民間総合通信社・ニュース1によると、肥満治療薬「マンジャロ」の処方を受けるために日本へ渡航する、いわゆる「スシジャロ」が韓国で流行しています。韓国の関税庁は違法な持ち込みの取り締まりを進めていますが、実効性のある対策が必要だという指摘が出ています。
3日のニュース1の取材によると、「スシジャロ」が人気を集める要因は価格の安さです。マンジャロ2.5mgの1か月分の価格は、韓国では30万ウォン前後ですが、日本では6万~8万ウォン台と、韓国の4~5分の1程度にとどまります。
日本ではマンジャロが糖尿病治療薬として指定され、政府が価格を低い水準に管理しています。最近は円安も重なり、韓国人にとってさらに安く購入できる状況となっています。
日本でのマンジャロの価格は、往復の航空券代を補えるほど安いという口コミが広がっています。そのため、日本旅行中にマンジャロを購入したり、マンジャロの処方を目的に日本を訪れたりする「スシジャロ」が流行しています。
最近、日本でマンジャロを購入したという30代の女性は、「韓国でもすでにマンジャロの処方を受けていましたが、日本では韓国に比べて半額ほどでした。連休中に旅行を兼ねて日本に行くのもよいと思います」と話しました。
SNSやオンラインコミュニティ、ブログなどでも、購入先や購入体験に関する投稿が数多く見られます。あるポータルサイトでは、「スシジャロで税関を避ける方法」という言葉が、検索欄の入力候補に自動表示されるほどです。
韓国人を対象にマンジャロの処方を宣伝する、日本の医療機関のアカウントもSNSに登場しています。「韓国の方歓迎」といった文言を掲げ、韓国語の通訳を提供したり、旅行日程に合わせてホテルまで配送するサービスを案内したりしています。
広告には、「来院せずにオンライン診療やビデオ診療、スマートフォンでの診療が可能」といった案内のほか、高用量に当たる12.5mg、15mgのマンジャロや、6か月分の処方が可能だという説明もありました。
ただし、韓国の食品医薬品安全処の許可を受けずにマンジャロを持ち込む行為は、現行法上違法とされています。日本を含む海外から持ち込まれるマンジャロは、同処が関税庁に通知した有害医薬品に指定されています。
税関では、X線検査や開封検査などを実施し、「輸入要件確認免除推薦書」など、定められた輸入要件を満たしていない場合は、返送または廃棄する措置を取っています。
単に輸入要件を満たしていないだけでなく、密輸などの法令違反が確認された場合には、関連法令に基づく調査や処罰も行われます。
実際に、関税庁によるマンジャロなどの肥満治療薬の摘発件数も増加しています。2024年の4件から、昨年は1,189件へと大幅に増え、今年は8月時点ですでに5,030件に達しています。
これに対し、一部では「同じ医薬品なのに、なぜ日本で購入して持ち帰ると違法になるのか」という不満の声も上がっています。
専門家は、安全上の問題を指摘しています。マンジャロは原則として2~8℃での冷蔵保管が必要で、流通過程ではコールドチェーン(低温物流)によって品質を維持しています。
一方、個人が医薬品を航空機の手荷物として持ち込んだり、自ら運搬したりする場合は、適切な温度管理が難しく、品質が変化する恐れがあります。
また、日本で数か月分の処方を受けると、使用期限を超える可能性があります。処方薬として必要な、定期的な効果や副作用の確認が行われず、問題が生じる可能性もあります。
元大韓肥満学会会長で、江北サムスン病院家庭医学科のカン・ジェホン教授は、「肥満治療薬の使用には、適切な食事指導や運動指導を併せて行う必要があり、そうしなければ筋減少症など、さまざまな問題が生じる可能性があります」と指摘しました。また、持ち込む過程での有効性や安全性の問題に加え、医師による適切な管理を受けにくい点も問題視しています。
一方、韓国での比較的高い価格が負担になっているとの指摘が続くなか、保険適用によって価格を引き下げる方法を検討すべきだという声も少なくありません。
カン教授は、「マンジャロは最近、糖尿病治療について保険適用となりましたが、肥満治療についても保険適用を進める必要があります」と述べました。その一方で、「肥満治療薬は医療保険財政への負担が大きいため、財政負担なども考慮する必要があります」と話しました。
引用元:ニュース1(2026年10月3日配信)
※原文は韓国のニュースをもとに当社で要約・翻訳したものです
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