円安とインバウンド効果:最適地域圏創生と観光立国のあり方
アベノミクスによって想定された円安効果、すなわち輸出拡大と企業の国内回帰は、この2年間、目立った成果を上げていません。最近になってパナソニックが白物家電の一部について国内回帰を打ち出しましたが、そうした動きはきわめて限定的です。円安メリットが発現する産業構造が過去のものになっているからでしょう。
円安による輸出増と日本企業の国内回帰の効果は想定外に小さい
ただし、円安には別のメリットがあることを忘れてはなりません。それは、訪日客の拡大という「インバウンド効果」として象徴的かつ明快に発現しつつあります。しかも、このインバウンド効果は、実は疲弊著しい地域経済を活性化させる「隠れた効能」を持っているのです。
アベノミクス第1章の2年間(2012年末~2014年末)で、円レートは5割下落しました。円高トレンドは一変し、円安時代が開幕しました。現在のアベノミクス第2章でも、円レートは1ドル=115円±15円(100~130円)のレンジの「円安局面」が続くことが想定されます。
この2年間の大幅円安で、想定外の事象が出現しました。1つは、輸出増効果がきわめて小さいことです。もう1つは、海外移転を進めてきた日本企業が、期待されたような国内回帰(カムバックホーム)を行わず、ごく一部にとどまっていることです。
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