金沢の「カナメ イン」帰国困難の外国人に無料宿を提供 クラウドファンディングも
金沢市竪町のホテル「カナメ イン」が、新型コロナウイルス感染症の拡大による移動制限で帰国が困難になった訪日外国人に、客室を無償で提供するプロジェクト「ルーム フォー レスキュー」を始めたと中日新聞が伝えました。
細川博史代表(41)が「金沢が新型コロナから世界で最初に復興する町になってほしい」と企画、インターネットのクラウドファンディングを通じ、支援金を募っているとのことです。
細川さんはホテル周辺の飲食店を経営する知人から、コロナショックで客足が激減している実情を聞き「心ばかりでも県外から泊まりに来る人が増え、金沢で食べ歩きしてくれたら」と、3月上旬から日本人向けに無料で客室を提供し始め、会員制交流サイト(SNS)でもPRしたところ、日に10人ほどの利用がありました。
そんな中、細川さんは知人から「帰国できないオランダ人を受け入れてほしい」と依頼を受けました。感染拡大防止のため各国の航空会社が運航を取りやめたことで延泊を余儀なくされた訪日外国人の存在を知り、「飛行機がいつ飛ぶか分からず、精神的にも金銭的にも不安な中、ゆっくり落ち着ける場所になれば」とプロジェクトを発案しました。
県内外に滞在する外国人から日に2,3件の問い合わせがあり、現在は米国とオランダの二人が利用しているとのこと。利用者からは「行き場がなかったので、ありがたい」といった感謝の言葉を掛けられるといいます。
細川さんの知人で、都内の音楽会社と映像製作会社に勤める越後龍一さん(31)は、勤務先がテレワークを実施しているため、3月半ばからカナメ インに滞在して細川さんとプロジェクトの運営を担っています。越後さんは「町と人をつなぐホテルの機能を残したい。日本をせっかく訪れてくれたので、日本に来て良かったと思ってもらえたら」と。
細川さんは「過度な自粛はせずに、皆で状況を見ながら、町が経済的に元気になるために何ができるか考えたい」と力を込めました。