京都市長「お断り宣言」 宿泊施設急増、オーバーツーリズム問題化で
京都市は20日、2020年度以降、地域住民の理解を得られない宿泊施設の新設抑制などに取り組む方針を示しました。訪日外国人客が急増する中、京都エリアには多くのホテルが乱立、オーバーツーリズム(観光公害)問題が日常化されている現状を踏まえ、今後は市内の用地をオフィスや研究開発拠点として活用することを後押しし、地域経済のベースとなっている観光産業と市民の生活を両立させるスタンスをとっていくとのこと。
京都市の門川大作市長は20日の記者会見で、市中心部での宿泊施設の急増について「市民の安心・安全や、地域文化の継承を重要視しない宿泊施設の参入を今後はお断りしたい」と述べ、オフィスや住宅の需要が高まっているとして「(誘致方針からの)大転換で、覚悟を決めてお断り宣言した」と説明しました。
市長は「京都は観光のための都市ではなく、市民の暮らしを大事にしなければいけない」と指摘しました。
今後は新設前の地域住民への説明会を増やすほか、条例や地域の建築協定を活用するなど新設要件を厳しくし、宿泊施設の整備に先立ち、地域住民の理解を得るための手続きを来年度中から充実させるとしており、具体的な内容は検討中とのことです。
京都市では、好調なインバウンドの影響で外国人観光客が急増し、2016年に宿泊施設を拡充する方針を策定、ホテル誘致に取り組み、宿泊施設は、方針策定時の約3万室から今年3月末時点で約4万6000室にまで増えました。一方で、民泊などでは周辺住民とのトラブルが発生している現状です。
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