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2018.07.19高齢化が進む日本、その不動産は香港人が買う?—海外の日本不動産ブームとその影響

近年、香港の街では多くの日本不動産を扱っている専門会社を見かけるようになり、テレビ番組でも日本の物件が紹介され、日本不動産の購入・投資は香港でブームになった。

香港で日本不動産が人気になっている理由は、主に香港不動産価格の高騰だと考えられる。アメリカの調査会社デモグラフィアによると、香港はここ8年間連続で、住宅購入が困難の都市のトップだったという。自分の町の不動産にはとても手が届かない状態の中で、香港の中間層・若者は日本の不動産に目を向けた。また、香港の不動産バブルが崩壊するという懸念もあり、安定している日本の不動産市場は香港の富裕層にも狙われている。日本の不動産は、比較的に香港に近く、管理しやすいことや、旅行先として日本に親しみがあることも人気の理由だった。

好景總店
出典:Jpmyhouse

一体、香港の人はどのような物件に興味があるのか?

不動産を紹介する香港番組「ベン先生の不動産ガイド」では、板橋のワンルームから、新宿のレストラン、箱根の温泉旅館まで、さまざまな物件が紹介された。香港人は投資だけではなく、私用目的で日本の物件を購入する人も数多くいる。そのため、日本では購入者がいないと思われる物件も香港ではニーズがあるケースもある。例えば、300万円程度で購入できる青梅にある物件も番組で紹介され、話題になっていた。都会の中心にない物件は、借り手を捜すに大変かもしれないが、借りる人を見つけなくても、観光やバケーションとして来日した際に、ホテルの代わりに泊まることができると番組で紹介されていた。そして、300万円という安さは香港人にとても魅力的な価格だ。この値段では香港で同じ大きさの物件を買うどころか、頭金さえ払えないのが現実だ。番組では「香港では都心と離れても高いが、この物件は東京から一時間離れただけでこの安さはというのは驚き」というコメントもあった。しかし、香港の日本不動産屋は全国各地のあらゆる物件を提供しているが、やはり香港人がよく知る東京や大阪と京都が主流である。

TVB
香港のテレビ番組で紹介された板橋のワンルーム
出典:Youtube – TVB (official)

そして、この日本不動産ブームは、インバウンド不動産投資だけではなく、観光にも影響が出ている。

例えば、日本の不動産を購入し、旅行の際に宿泊する香港人がいる。去年、香港で日本華房地產という不動産会社による日本新築マンションの説明会が行われ、多くの投資者を集めたという。その来客者のコメントによると、投資ではなく、将来の移住やバケーションのために購入を考えている方は大勢いた。さらに、日本の物件を私用目的で購入した香港の有名人も少なくない。このような現象は、観光のインバウンドにとても有利である。なぜなら、日本の物件を購入した香港人は、管理のためだけではなく旅行やバケーションで何回も日本に来るようになる。宿泊費は節約されるものの、買い物や食費などを日本に来るたびに消費してくれる。現在すでに日本へのリピート率が世界一の香港人は、この日本不動産購入ブームが香港でさらに普及すれば、将来、日本への経済貢献がさらに期待できる。

宮古島

また、香港ではなく中国の話ではあるが、中国人の経営者たちが衰退している温泉旅館を購入するケースは近年増えている。彼らは旅館を中国人向けで経営を見直し、中国人の観光客を大量に受け入れ、温泉地や地方の再生、活気を与えている。資金の投入だけではなく、継続的に観光客を消費させることは、日本に大きな経済効果をもたらす。しかし、中国人による買収はいい影響ばかりではない。中国人の経営している旅館は、中国人観光客向けに仕様や対応などを変えているため、日本人ならではのこだわりやおもてなし文化がなくなる恐れがある。さらに、このことを知らずに中国系旅館に泊まった外国人がいれば、日本のイメージが変わる、あるいは評価が下がるかもしれない。このように、日本不動産ブームは好影響と悪影響の二面を持ちながら、観光業界を変えていく。

前述のように、海外での日本不動産ブームは、日本経済やインバウンドに好影響を与えてくれる。そのブームを持続させ、拡大させていくには、海外の人向けに購入手続きや管理がしやすいようなシステムを整えることは、今後の重要な課題であろう。ただし、まだまだ先の話かもしれないが、香港のように投資家に狙われ、元々住んでいる住民が自分の地元で家が買えないというようなことが起きないように、また、旅館などでの日本文化やおもてなしがなくならないらように、対策を考えていくべきかもしれない。今後は、このような潜在的な問題を考慮しながら、外国人の日本不動産売買に取り組んでいくべきだと、筆者は考えている。

旅館

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