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“お土産”に医薬品-免税追い風に訪日客向け販売が急増、日本語が「信頼感」与える

日本政府観光局によると2015年4月の訪日外国人数は、前年同月比43・3%増の176万4000人で単月過去最高だ。円安傾向の継続が背景にあり、お土産の販売も好調に推移している。医薬品や衛生材料についても、ドラッグストアチェーンの免税店で一部商品の売れ行きが急増する例などが出てきた。(斎藤弘和)

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「インバウンド需要は非常に大きい」(堀田直人ニチバン社長)。同社の消炎鎮痛貼付剤「ロイヒつぼ膏(こう)」シリーズは、15年3月期売上高が前期比62%増と伸びた。14年10月に外国人旅行者向け免税制度が改正され、同シリーズが免税対象となったことがきっかけだ。

主力のテープ製品よりも利益率が高いため社全体の業績をけん引し、営業利益は同20・8%増の21億円に達した。他メーカーも手応えを得ている。第一三共ヘルスケア(東京都中央区)は点鼻薬「エージーノーズ アレルカット」の販売数が、免税対応店舗では14年12月から15年1月に前年同期比2倍以上となった。

頭痛薬などを展開しているエスエス製薬(同)は「外国人観光客の訪問が多い地域のドラッグストアで販売が増加傾向にあり、(中国の旧正月にあたる)春節の前は発注が大幅に増えた店舗もあった」(広報)。

俗に“爆買い”と呼ばれる、まとめ買いの傾向もみられる。そこで興和(名古屋市中区)は今秋にも大容量の高機能マスク製品を投入する方向で調整をしている。「三次元 高密着マスク」の30枚入りパッケージを新たにつくり、1枚当たりの価格も抑える考えだ。

ただ同社は、製品自体には外国人向けの特別な説明書きや装丁を施さない方針。「日本語が書かれていた方が信頼感を訴求できる」(マーケティング第二課の田村優英氏)との判断からだ。代わりに外国語の販促資材を充実させ、店舗の要望に応えている。