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中国人観光客で潤う日本企業 最新“爆買い”スポットはお台場

中国人による“爆買い”が話題になっている。大型バスで銀座の店舗前に乗り付け、大量の商品を買っていくさまは、まさにバブル時の日本人のよう。その中国人のマナー違反など一部で批判もあるが、多くの日本企業は中国人観光客で大いに潤っている。

 中国人観光客の大量訪日は、春節(2月18~24日)以降も継続している。3月も33万8200人(前年比83.7%増)が日本を訪れ、洗浄便座・炊飯器・電気ポットの中国人“三種の神器”を買い漁っている。

この現象にコラムニストの勝谷誠彦氏は「銀座は目先のカネに飛びついている。(中国人が来ると)日本人が来なくなります。僕だってそんな銀座に行きたくありません」とテレビで噛み付いていたが、そんな意見に賛同する日本人がいる一方、中国人観光客の増加で売り上げを伸ばし、シッカリ潤っている企業があるのも事実。

銀座三越は、青息吐息の百貨店業界にあって明らかに異彩を放つ。今や売り上げの25%は免税部門で、かん高い中国語会話がフロアに飛び交っている。

 中国人の行列が絶えないマツモトキヨシの14年3月期売上高も、前年比8.5%増の4953億円とウハウハだ。

「メード・イン・ジャパンの化粧品を中心に売れています。特に昨年10月に免税制度が改正されてからの売り上げ増は顕著。中国国内でCMを流すなど特別な宣伝はしていないので、口コミで来店されているようです」(マツモトキヨシ広報担当者)

 ラオックスの売上高は前年比1.5倍の501億円に増え、14年ぶりに黒字化した。洗浄便座のINAXを抱えるLIXILグループ、炊飯器がバカ売れしている象印マホービンも業績を急拡大させている。

■店舗の半数近くが免税店
中国人が大型バスで乗り付ける場所にも異変が起きている。これまでは銀座や秋葉原のイメージが強かったが、最近の注目は“お台場”なのだ。

 お台場というと、交通の便がやや悪く、これまでの平日は閑散としていたが、中国人が来てくれるおかげで賑わいを取り戻しつつある。場所が、嫌中とされるフジテレビのお膝元というのは多少皮肉だが、ヴィーナスフォート、ダイバーシティ、パレットタウンという大型商業施設がひしめき合っているのは魅力だ。

 ヴィーナスフォートは約190店舗のうち、半数近くが免税店。先週末、そのうちのひとつであるラオックスをのぞいてみると、中国語対応のスタッフに熱心に炊飯器の性能を聞く中国人女性や、電気シェーバーを5台まとめ買いするおじさんの姿があった。

 一方、ダイバーシティは、外国人旅行者のために施設の入り口に外貨両替所を設置。マツモトキヨシでは、中国人のおばさんが消臭剤「ムシューダ」を箱買い。おじさんは「馬油」を買い物かごに入れていた。馬油は中国が起源なのに、日本製はやはり別なのだろう。

 ヴィーナスフォートを運営する森ビルの広報担当者がこう言う。

「中国人に限らず、アジアの観光客が増えるのは大歓迎です」

 お客さまは神様……なのだ。