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成田・羽田の発着数、世界規模の年100万回へ 訪日客増へのインフラが課題


▲Photo by JAPANKURU

国土交通省が31日、成田空港の滑走路延伸と新設を正式に認め、首都圏の空の玄関口となる成田・羽田両空港の年間発着回数が約100万回に到達する見通しとなり、ロンドンやニューヨークなど世界的な国際空港と競争できる体制となました。

成田は2028年度末の運用開始を目標に、既存のB滑走路を2500メートルから3500メートルに延ばすほか、3本目となるC滑走路を新設し、年間の発着数は現行の30万回から50万回に増えることになります。
総事業費は約5000億円で、財政融資も活用する予定。

羽田も3月末から新しい飛行経路を導入することで、国際線の発着数が年3万9000回に増え、これによって両空港を合わせた年間の発着数は将来、年100万回を確保できることになります。

現状の75万回もアジア各国の主要空港と比べて遜色のない規模で、ソウルや香港、シンガポールは40万~50万回強ですが、年間旅客数を比べた場合、香港は7400万人、ソウルが7200万人、シンガポールの6500万人に対して、東京(羽田・成田)は5千万人と見劣りしているのが現状です。

100万回を達成すると、ヒースロー空港のほか4空港を有するロンドン(約120万回)、3空港を持つニューヨーク(約130万回)など欧米の主要都市との差が縮まることとなります。
ただ、国際空港としてのネットワーク力を示す就航都市数ではロンドンが400弱、パリが約300なのに対して、首都圏の両空港は約160と、まだその差は存在します。

政府は2030年までに年6千万人の訪日客を受け入れる目標を掲げており、そのけん引役は成田と言われています。都心に近いというメリットがある羽田には4本の滑走路があり、5本目の構想も存在しますが、拡張には限界があります。

成田にとっては課題とされてきた都心とのアクセスが電車の増発によって改善されてきましたが、今後は災害時の対応など、増加する訪日客向けのインフラ整備も課題となります。
運営にあたる成田国際空港会社は災害発生時の事業継続計画(BCP)に多言語による情報提供や交通事業者との連携強化を盛り込み、力を入れていく予定です。

  • 参照元:日本経済新聞(https://www.nikkei.com/article/DGXMZO55087500R30C20A1EA4000/)