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韓国客激減の対馬 政府が補正予算で実証実験へ

 

日韓関係の悪化で韓国人観光客が激減している長崎県・対馬を支援するため、政府が韓国以外からの訪日外国人客誘致を図る実証実験に乗り出すことが分かりました。

対馬は、韓国南部の釜山市から南へ50km離れており、旅客船で70分の距離にあるため、人口3万人の島を訪れた韓国人旅行客は、昨年1年間で約41万人にも及び、インバウンドは地域経済の根幹となっていました。しかしながら、7月以降の訪問客減により、今年は昨年比6割の26万人に留まることが見込まれています。

実証実験は、中国や台湾、東南アジアの旅行事業者を対馬に招き、日本側の提案を踏まえて団体向けのツアー商品を開発してもらう取り組みで、調査費として数億円を本年度補正予算案に盛り込み、本年度中にも着手するとのこと。

この実証実験は新規市場の開拓分野として、政府がまとめた経済対策の中で採用されたものです。
政府関係者によると、国や地元自治体、事業者、有識者でつくる検討の場を設け、案内板の多言語化など対馬の観光資源の魅力を高めた上で、海外から関係者を招致する戦略で、海岸の砂浜で「グランピング」と呼ばれる豪華なキャンプを体験したり、韓国を望む展望台を周遊するなど、対馬を情報発信してもらうとともに、アンケートで改善点や課題を洗い出す予定です。

2030年の訪日客6000万人突破を目指す政府としても、韓国に偏在していた対馬の観光客数が回復すれば先進事例となるという考えで、政府関係者は「地元の意向を聞きながら積極的に関与していきたい」と話しています。