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初売り客足伸びる 百貨店の行列長く、福袋に訪日客

1~2日に初売りを開いた小売り各店には、前年より多くの買い物客が訪れた。長期休暇が取りにくい日並びで買い物を手ごろなレジャーとして楽しむ消費者が目立ち、大都市の百貨店では売上高が前年を上回る店が多かった。訪日外国人の来店も伸びた。暖冬で衣料品販売は苦戦していたが、小売りやアパレル各社は春物衣料の早期販売などで初売りの勢いを続けようとしている。

初売りでは客数の増加が目立った。高島屋日本橋店(東京・中央)では、2日午前10時の開店前に並んだ客数が前年より1割強増えた。「円安も手伝い海外旅行などを控えた顧客が来ている」(村田善郎常務)。松屋銀座店(同)では2日の客数が前年比12%増、売り上げも15%増えた。

三越伊勢丹の三越日本橋本店(同)では2日、前年を100人上回る4200人が開店前に行列をつくり、開店を午前10時から10分繰り上げた。前年より2%多い5万6000個の福袋を用意し、多くは午前中に売り切れた。

高額品の売れ行きも堅調だった。ビックカメラは1日の全店売上高が前年比15%増。一眼レフのデジタルカメラや交換レンズをセットにした税別150万円などの高額品が好調だった。3日まで有楽町店(東京・千代田)など主要5店の閉店時間を例年より1時間遅い午後9時とする。

阪急うめだ本店(大阪市)では2日の売上高が前年より1割増え、特に高級ブランド品が2割伸びた。三越伊勢丹では200万円台の美術品の福袋、松屋では972万円の高級ワイン福袋が開店間もなく売れたという。

訪日外国人の消費も旺盛なようだ。西武池袋本店(東京・豊島)の初売りでは、1日に免税による売り上げが前年比5割増えた。土産物として日本の正月らしい福袋をまとめ買いする姿が目立った。

阪急うめだ本店を訪れた香港の曹光さん(72)は約10万円の衣料品の福袋を複数購入。「気に入ったものがあればどんどん買う」と話した。

小売り各社は高価格帯でも品質の高いものやお得感のある商品をそろえることで、出足の良かった初売りの勢いを今後の本格的な販売回復につなげたい考えだ。