Inbound News 2019.07.18 中国|WeChatでウェブが完結? テンセント「小程序(ミニプログラム)」全盛期へ
訪日インバウンド市場の「爆買い」の情報源として、口コミの生態系となったSNSからEC市場の隆盛を仕掛けたキャッシュレス化まで、今の中国のスマート社会の「コア」と言っても過言ではないのが、11億人が利用(2018年)している「WeChat」です。
世界最大級のゲーム、アプリ開発を展開するIT事業会社「騰訊(テンセント)」が運営するWeChatは、中国で微信(ウェイシン)と呼ばれ、今やチャットアプリの域を超える中国最大のSNSプラットフォームとなっています。
そんなWeChatの可能性をさらに拡張する機能が、2017年1月に開設され、アプリの中のアプリという発想で注目を集めている「小程序(ミニプログラム)」です。
この機能は、ダウンロードすることなく、WeChat上で使用できるアプリケーションのことで、AppleのAPPSTOREのように、オープンソースで開発者が作成したサービスを簡単な審査を経て搭載可能な開放性が特徴。
ミニプログラムは、月間11億、1日90分以上使用するWeChatのアクティブユーザーに対し、様々なサービスを提供できることから、企業からメディア、政府機関から個人まで、開発されるコンテンツが急増しており、2018年末現在の登録ミニプログラムの数は230万件以上もあるとのこと。
最近の中国人は、新しいアプリをダウンロードしなくなっている傾向にあると言われていますが、その背景には、このミニプログラムの普及があると考えられます。登録情報は全てwechatと連結され、セキュリティもしっかりしているので、スマホWeChatさえあれば、ほとんどのWEB利用が完結し、簡潔化されるからです。
ユニクロやスターバックスなどの企業はすでにミニプログラムを展開しており、中国内で競合とも言えるWeiboも、中国発で世界最大級のOTAサイト「Ctrip」もサービスを提供しています。
特に、旅行・観光関連の情報を提供するミニプログラムは、WeChat本来のチャットプラットフォームという特性と連携性が高く、ホームページの代わりにミニプログラムを開発するなど、インバウンドプロモーションで活用するケースが増えています。
フィンランドのヘルシンキやベネチアなどの世界的観光都市が、ミニプログラムを通して観光スポット・ショッピング・グルメ・taxfree・地図・翻訳・ガイド・イベント告知などの情報から、WeChat pay機能と連動した免税手続きの簡素化サービスまで提供しています。
運営企業のテンセントも、来年のオリンピックに向けて日本の観光情報の充実化に力を入れており、沖縄や東北など地方都市の観光コンテンツを発信するミニプログラムの開発を推奨している中、現在複数の地方自治体が検討もしくは開発中とのことです。
グローバル・デイリーでは、テンセント社と提携し、この「小程序(ミニプログラム)」サービスを活用した中国向けインバウンド施策の提供を開始いたします。
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