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【韓国】それでも日本旅行に行く理由は…

Korea2019 (1)

▲Photo by JAPANKURU

最近、日本と韓国の間には、とあるイシューをめぐる冷たい気流が通り過ぎました。国際情勢の動きというものは、インバウンド業界の潜在リスクとして常に存在するものですが、特にここ数か月間はインフルエンザや円高などが重なり、訪日韓国人の動向が気になるところです。
訪日数トップ2の国であり、最も近い隣国・韓国のインサイトは、状況をウォッチしつつも明快に把握できず不安定な要素がありますが「危機こそチャンス」の観点から、本当はどうなのか、その中身を深堀りしてみました。

Korea2019

上記は、昨年11月から今年の旧正月期にあたる2月まで、過去3か月の訪日旅行カテゴリにおける韓国のインサイトを、検索エンジン「NAVER」のキーワードトレンドを通して分析した図です。
検索量を表す左のグラフを見ると、昨年末から話題となった情勢問題やインフルエンザの流行、円高など日本関連のネガティブイシューが続く中、緑色の「日本旅行」関連キーワードは、それ以前に比べ極端な変化がないのがわかります。
その下のピンクの線は、最近最も人気の旅行地として、多くのメディアで取り上げられ注目されている「ベトナム旅行」関連キーワードです。ホットな旅行先とはいえ、日本旅行の検索量とほぼ同じ推移を見せています。
そして、1月末から2月上旬の旧正月シーズンになると、日本旅行の検索はピークに達します。旅行先の情報を調べる動きと推定されます。
同時期の「海外旅行」カテゴリの人気検索キーワードTOP20(右)のうち、日本関連で9つのキーワードがランクインしているのも、検索量の推移と同期しているものと思われます。

インバウンドの懸念要素が重なる時期においても、訪日韓国人にあまり影響を及ぼさない理由として、韓国の旅行関係者及び関連メディアは、下記の3点を挙げています。

①日本旅行トレンドの変化
個人自由旅行が完全に定着し、旅行の目的やジャンルが多様化されたことが大きな理由のひとつで、ローカル旅行など様々なパターンの旅でも共通して治安や食事などのリスクがないメリットもあるとのこと。

②代替する旅行先が少ない
「距離が近く、渡航費も安い。物価も安定していて、短期で何回も行ける」という条件をすべて満たす旅行先は日本が唯一という認識があり、旅行自体の満足度も高く、口コミ情報が多い。

③旅行客層が日韓情勢に左右されない世代へ
SNSを主なメディアとして消費するミレニアル世代(10~40代)にとって、訪日旅行の判断基準は「報道」ではなく「口コミ」であり、ここ数年多くの芸能人や有名人が日本旅行のコンテンツを流行のように発信し、それに影響されている。

こうやって見ると、訪日韓国人が昨年、過去最多を記録した背景が理解できます。併せて、このインサイトの「堅さ」から、今後も大きなイシューがない限り韓国の訪日ランクは安定するであろうと思います。