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国慶節:大型連休で訪日「爆買い」期待

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中国の建国記念日である国慶節の大型連休中(10月1〜7日)に来日する中国人観光客の買い物需要を取り込もうと、百貨店などが売り場やサービスの拡充を進めている。8月中旬以降、中国経済の減速懸念で世界的な株安に見舞われたが、訪日客向けの売り上げは好調を維持。連休期間中、あの手この手で集客力の向上を図る小売り各社は、改めて中国人の「爆買い」に期待を寄せている。【岡大介】

高島屋新宿店は9月23日〜10月6日まで、中国で人気のアニメ「猫のダヤン」(原作・池田あきこさん)関連の売り場を設置。猫のダヤンは今年6月、上海アニメ祭の受賞作としてノミネートされるなど、中国で知名度が高い。関連の文房具や小物を販売し、原画の展示も行うことで、中国人観光客の来店数を増やしたい考えだ。

松屋銀座は9月30日、本館に隣接する別館2階で外国人専用の売り場を全面展開する。中国人に人気の化粧品などを集め、中国語ができるスタッフもそろえる予定。広報担当者は「買い物の時間が限られるツアー客に喜ばれるはず」と期待する。一方、電器量販大手ビックカメラと東武百貨店は池袋駅の店舗で「共同作戦」を展開。それぞれの店舗に中国語と英語のスタッフが常駐する臨時観光案内所を設け、両店の割引券を入れた池袋のガイドマップを配布する。

中国人が買い物をしやすい環境作りも進んでいる。コンビニエンスストア大手のセブン−イレブンとローソンは国慶節までに、中国で普及する「銀聯カード」のクレジット決済が全店舗でできるようにする。J・フロントリテイリング傘下の大丸、松坂屋の計8店舗では、中国最大の通信アプリ「微信(ウェイシン)」が展開する決済サービスへの対応を9月30日から開始。スマートフォンに表示されたバーコードを店側のタブレット端末にかざすだけで決済ができるようにする。

中国経済の減速や株安で訪日客の購買意欲低下も懸念されたが、8月の全国百貨店売上高(既存店ベース)が前年同月比2・7%増になるなど、好調を維持。高島屋新宿店は「金融市場の混乱の影響は限定的ではないか」(広報)とみて、今年の国慶節期間中の売り上げは前年の1.5倍になると見込んでいる。

 キーワード・国慶節

中国の建国記念日にあたり、1949年10月1日、毛沢東・中央人民政府主席(当時)が北京の天安門広場で中華人民共和国の成立を宣言したことにちなむ。例年、1日から1週間程度が連休となる。中国では、国慶節と春節(旧正月)が大型連休で、近年の経済発展にともない、この二つの大型連休が2大旅行シーズンとなっている。中国のネットメディアによると、今年の国慶節期間中の出国者数は、前年から11%増加し400万人を超える見込み。人気の上位旅行先は韓国、日本、台湾で、日本への旅行者は前年同期比4割増が見込まれている。一方、海外旅行者の増加にともない現地でのマナーの悪さが問題視されるケースも増えており、中国政府は中国人旅行者にマナーを守るよう呼び掛けを強化している。