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【統計の赤い糸】どこかで、つながってる。世界と日本の統計をえんむすび:韓国編①ビールと訪日

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遂に、現実となりましたね。
外国人旅行客3000万人時代の到来を迎えた日本のインバウンド市場。これまで、様々なアイディアや戦略、マーケティングやプロモーションを重ねていく上で、重要な道しるべの役割を果たしている数多くの「統計」。
JNTOをはじめ、政府機関各所やメディア、研究所などから毎日のようにリリースされ、多方多色な観点からの訪日トレンドを示し、幅広い視野からヒントを提供してくれるインバウンド関連統計ですが、グローバル・デイリーでは、日本国内の統計だけではなく世界各国の政治・経済・社会・文化全般の色々な統計をリサーチし、プランニングに活用しています。
リサーチをしていると、ふと面白い現象に気が付きます。それは、全く関係のないような日本と海外の統計同士のつながりです。まるで、目に見えないどこかで「赤い糸」で結ばれているかのように(笑)。
この企画は、そんな何かしらの「縁で結ばれている」世界各国と日本の統計の間から読み取れる、新鮮な発見を随時ご紹介していくコラムです。題して「・統計の~赤い糸・」!!!

第1弾は、韓国です。

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左のグラフは、2014年から2018年まで韓国が輸入した日本のビールの推移です。そして、右が同期間の訪日韓国人数の推移です。
あれ?と思い、左の韓国のグラフを右にそのままシフトさせて重ねてみたところ、ほぼ同じ形で増加していることがわかりました。不思議ですね。

この「統計の赤い糸」の謎を調べてみると、その背景には最近の韓国の日本文化トレンドがありました。
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▲ソウル市内の日本居酒屋(左)と韓国のコンビニのビールコーナー(右)

この統計の通り、ちょうど2014年ごろから韓国では日本式の「居酒屋」が増え、瞬く間にブームとなっています。
この居酒屋の人気メニューが、日本酒と日本の生ビール(と、なぜかタコわさび)で、特に昔から日本のビールは美味しいというイメージが強かったので、居酒屋の流行と同時に消費が倍増しました。
そして、居酒屋だけではなくコンビニエンスストアでも手軽に購入できるようになり、韓国のコンビニ各社では日本の銘柄を含む輸入缶ビールを4本で1万ウォン(約1,000円)で販売するなど、日本ビール人気に更に火をつけました。
それから最近まで、円安や免税など日本旅行の好条件が重なり、このビールの輸入量とともに訪日韓国人は右肩上がりの増加を見せたのでした。

このように見てみると、なるほど!ってなりますね。特に東アジアにおいては同じ文化圏なので、似たような統計の接点がよくあるので、発見するたびに紹介していきたいと思います。
次回は、韓国のもうひとつの「赤い糸」をUP予定です。乞うご期待!