台湾|〈時評〉中国が日本向け旅行制限を発表 台湾からの日本旅行は安くなるのか?

日本の首相・高市早苗氏が「台湾有事論」を発表したことを受け、中国政府は対抗措置として日本への観光制限を発表しました。中国から日本への旅行者が減る中、多くの台湾の人が「今なら日本旅行は安くなるのか?」と疑問を抱いています。旅行業者によると、短期的には一部の団体ツアーや旅行パッケージが値下げされる可能性はあるものの、日中間の航空券価格は依然として高く、短期間での大きな変動はなく、むしろ需要増で上昇する可能性もあり、全体的な旅行コストが大幅に下がる見込みは小さいとのことです。
産経新聞によれば、高市氏の「台湾有事」発言を受け、中国政府は11月14日に「日本への渡航を控えるように」と国民に警告を出し、日本行きの便の削減を開始しました。香港やマカオを除く日中間には現在172路線、計日本20空港と中国36空港を結ぶ便があり、両国間の往来は非常に活発です。
北京が警告を出して以降、減便の知らせが相次ぎ、11月25日までに268便(定期便の約5%)が運休となりました。さらに減便は加速しており、最新情報では12月に予定されていた5,548便のうち72路線・904便が運休、全体の16%に相当し、約15.6万席が消滅しました。この数字は数日前の3倍以上に膨れ上がっています。
東京の旅行業者・Airplusによると、制限令後は便数が減ったにもかかわらず、航空券価格は上昇せず、むしろ大幅に下落しました。たとえば中国国際航空が運航する関西~上海間の往復航空券は、最安2万円だったものが最近では8,500円程度まで下がっており、中国から日本への旅行者が確実に減っていることが分かります。12月の904便の減便で、少なくとも10万人以上の中国人観光客が日本を訪れなくなる計算です。
日本政府の統計によると、2025年1~10月の訪日外国人のうち、中国からの旅行者は820.3万人で、前年同期比40.7%の大幅増。国別では最も多く、全体の23%を占めています。10月単月では中国(香港含む)は71.5万人で、訪日客全体の18.4%でした。
中国人旅行者の日本での消費額はどれほどかというと、日本観光庁のデータでは2025年1~9月で1.6兆円(約3,215億台湾ドル)。第1四半期5,443億円、第2四半期5,160億円、第3四半期5,900億円で、訪日外国人総消費の24%を占めています。
2019年のコロナ前には年間1.77兆円が過去最高でしたが、2025年はすでに3四半期で1.6兆円に到達しており、年間2兆円を突破し過去最高を更新する可能性があります。ただし、政治的緊張から今後数カ月は消費が落ち込み、最大12億ドルの損失が出るとの分析もあります。
消費額や減便状況から見ると、観光制限は日本の観光収入に大きな影響を与えるのは確かで、特に中国人頼みの観光地や業者は打撃を受けます。しかし一部の業者は「想像ほど深刻ではない」と見ています。
たとえば「12億ドルの損失」も、2024年の訪日外国人消費額は約8.14兆円(約540億ドル)で歴史最高。2025年1~9月も6.9兆円(約435.8億ドル)と過去最高を更新しており、12億ドル減っても相対的には大きな影響ではありません。
旅行業者が「影響は限定的」と見る理由は2つあります。
1つ目は、中国人の旅行スタイルの変化。
2025年4~6月のデータでは、中国人の日本への団体旅行は11%で、自由行がほぼ90%。2015年には団体旅行が42.9%でしたが大きく変化しました。今回の制限令で団体旅行はほぼ止まりますが、主流である自由行は対象外です。
2つ目は、日本を訪れる外国人観光客全体が大幅に増えていること。
中国は最多とはいえ全体の4分の1ほど。2025年1~10月の訪日外国人数は3554万人で、2024年の記録(3686万人)に迫り、今年は4000万人を超える可能性もあるほど絶好調です。中国客が減っても、日本が人気観光地であるという流れは変わりません。
では、中国の日本旅行ボイコットは台湾の旅行者にとって有利か?
旅行価格は大きく下がらない見込みです。中日関係悪化後、台湾から日本への渡航需要が急増し、多くの路線で座席が売り切れている状況で、来年4月頃まで続きそうです。そのため日本旅行のコストはあまり下がりません。
しかし、台湾の観光客が中国客の一部の穴を埋めており、もともと関係が良好な日本と台湾にとっては、むしろ旅行しやすい環境になっているとも考えられています。
高市早苗氏の「台湾有事論」を受けた中国の観光制限により、12月に日本行き航空便が16%(904便)運休し、一部で中国発航空券が値下げされました。しかし、中国人観光客の主流が規制対象外の個人旅行(自由行)であり、他の国からの訪日客も増加しているため、日本の観光収入全体への影響は限定的と見られています。また、台湾からの日本旅行需要が急増しているため、台湾人にとっての旅行コストは大幅に下がる見込みは小さいとのことです。
【出展元】 台灣英文新聞
(2025年12月1日配信)
※原文をもとに当社で要約・翻訳・編集しています。