タイ|中国の「日本渡航自粛」による観光動向の変化と部分的な追い風の可能性
日本の観光業には影響、タイ・ASEANでは「一部追い風」も指摘されています
— タイ主要メディア、専門家コメント、SNS世論を総合 —
中国政府が自国民に対して日本への渡航を控えるよう求める勧告を発表しました。この動きは、台湾問題をめぐって中国と日本の緊張が高まっている状況が背景にあるとされています。今回の発表は、日本の観光産業だけでなく、タイを含むASEAN地域の経済や旅行動向にも影響を及ぼす可能性があるとして注目されています。
イメージソース:bangkokbiznews.com
タイの経済紙 BangkokBizNews は、「中国人観光客が日本への旅行を減らす場合、その一部がタイなど他の国へ流れる可能性がある」と報じました。同紙によりますと、タイ・エアアジアのサンティスック・クロンチャイヤ(Santisuk Klongchaiya)CEO は、「中国人の日本旅行がすべてタイへ転じるとは言えませんが、一定のプラス効果が期待できる状況ではあります」と述べています。また、同CEO は、中国人観光客の訪タイ数がコロナ前より大幅に減少していることに加えて、FIT(個人旅行)への移行、安全面への懸念、タイ・カンボジア国境問題、政治情勢、為替など、タイ側の複数の要因が旅行判断に影響していると説明しました。
一方、The Standard はキングモンクット工科大学ラートクラバン校(KMUTT)の教授のコメントを引用し、「中国と日本の緊張が強まる場合、タイを含むASEAN地域は経済・観光・安全保障の面で間接的な影響を受ける可能性がある」と伝えています。教授は、中国人旅行者の目的地が日本から東南アジアに移る可能性に言及しつつ、情勢が長期化した場合には「中国人の海外旅行そのものが減少する可能性もあります」と指摘しました。
また、タイ国内のSNSではさまざまな意見が見られます。
一部の利用者は「日本で中国人観光客が減ることは良いことです」と肯定的に受け止めており、「混雑が減って日本旅行がより快適になります」という声も上がっています。さらに、「中国人観光客が少なくなるなら、逆に今こそ日本へ行きたいです」という意見も投稿されています。一方で、「今回の動きにより、日本を訪れない中国人の一部がタイに来る可能性があります」という見方がある一方、タイ側の安全性や価格設定に課題があるという指摘もみられます。
総合すると、中国の日本渡航自粛措置は日本の観光業界に影響を与える可能性がありますが、タイを含むASEANの一部地域にとっては短期的な旅行需要の移動という機会が生まれる可能性があります。ただし、タイの専門家やメディアは、今回の変化がすぐに大規模な流れにつながるとは限らず、地政学的な環境や観光市場の不確実性を慎重に見極める必要があると述べています。
