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【2026年版】訪日インバウンドの転換点|免税リファンド・出国税・日本版ESTAで変わるマーケ戦略

2025年11月までの訪日外国人旅行者数は累計で 約3,906万人 に達しており、すでに年間で過去最高を記録した2024年の実績を上回っています。

仮に12月の訪日外客数が 300万人前後 で着地した場合、2025年の年間訪日客数は 4,200万人を超える見通しとなり、過去に例のない水準となる可能性があります。中国市場の回復に不透明感が残る一方で、円安基調の継続や、韓国・台湾・米国をはじめとする他市場からの訪日需要は引き続き堅調です。

そのため、訪日需要は一過性のピークではなく、2026年に向けても緩やかな増加基調が続くと見られています。

※月別推移のトレンドは、インバウンドデータ内の「推移」セクションでも確認できます。

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市場ごとの伸び方や構成比を確認したい方は、国別データもあわせてどうぞ。

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こうした環境下で、2026年以降に控える免税制度の見直しや出入国手続きの変化は、インバウンドビジネスにとって無視できない転換点となります。

インバウンド・海外向けの広告・マーケティングに携わる企業にとって、この変化は「コスト増による逆風」として語られがちです。ただ、見方を変えると――体験をアップデートできる絶好のタイミングでもあります。

ここから先に必要なのは、「制度が変わるから大変だ」で止まらず、制度が変わることで“何が良くなるか”を先回りして伝える視点です。

では具体的に、どのような変化が待ち受けているのでしょうか。

2026年以降、インバウンドを取り巻く環境には、マーケティング戦略の前提を変えかねない3つの制度的な転換点が存在します。

2026年7月、出国税の引き上げで、旅行の“固定費”が上がる

まず押さえておきたいのが、2026年7月からの出国税引き上げ(予定)です。金額は一見小さく見えても、旅行者の意思決定は航空券・宿泊などの「固定費」を軸に動きます。固定費が上がると、当然ながら 行く人/行かない人の選別が進みやすい。

つまり、国・地域ごとの“旅行の決め方”を踏まえた設計が重要になります。

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だからこそ、今後は「とにかく集客」よりも、手間や費用を上回る“行きたい理由”を作れるブランドが強くなります。LTV(顧客生涯価値)が高い層に向けて、納得感のあるストーリーと体験価値を提示できるか。ここが勝負になると思います。

2026年11月1日、免税は“店頭即時”から“出国時リファンド”へ

そして最大の転換点が、2026年11月1日からの免税制度改革です。これまでの「店頭での即時免税」から、出国時の持ち出し確認などを経て還付を受けるリファンド方式へ移行します。

現場オペレーションとしては「手続きが増える」側面がある一方で、マーケティング観点ではむしろメッセージがクリアになります。ポイントは大きく2つです。

1)高額消費の設計がしやすくなる

消耗品にかかっていた購入上限が撤廃される予定で、高価格帯の化粧品やサプリ、セット提案など、単価を上げる企画が自然に組み立てやすくなる

“まとめ買い”を煽るのではなく、旅のシーンに寄り添って「このセットがあると滞在が快適になる」と体験に変換して伝えられると強い。

2)特殊包装の廃止で、“旅ナカ体験”がコンテンツになる

消耗品に求められていた特殊包装が廃止される予定です。これが何を意味するかというと、買った商品を旅行中にすぐ使えるということ。

たとえば、到着初日から使えるスキンケア、ホテルで試してそのままSNS投稿、気に入ったら帰国後に越境ECや定期購入へ。

免税は「安く買う」だけでなく、旅の体験を上げる導線(In-Trip Experience)として設計できる時代に入ります。

2028年度頃、いわゆる“日本版ESTA”で入国はさらにデジタルへ

もうひとつ大きいのが、2028年度頃に導入が見込まれている、ビザ免除国の渡航者に対する事前のオンライン渡航認証(いわゆる“日本版ESTA”)です。

この領域は、制度名・対象範囲・手数料など今後の具体化を待つ部分もあるため、発信上は「導入方針」「検討・準備が進む」といった慎重なトーンが安全です。

ただ、マーケターとして見ておくべき本質はここです。

入国プロセスがデジタル化し、手続きが増えるほど、旅行者は「誰が正しい情報を分かりやすく提示してくれるか」に敏感になります。制度が複雑になればなるほど、情報提供そのものが信頼の源泉になります。

※2028年度中の導入が検討されている電子渡航認証(日本版ESTA)について、名称や申請手数料、有効期間などの詳細は今後公表される予定です。

情報を有意義な広告に変える。これが次の差別化になる

制度が変わると、旅行者の不安は増えます。たとえば免税であれば「空港で何をすればいいの?」「返金はどう受け取るの?」という疑問が必ず出る。

ここで強いのは、商品を語る前に、手続きを“わかりやすく”してくれるブランドです。

  • 「出国時のリファンド手順を1分で理解できる」多言語動画
  • 旅前に保存される「免税・還付のチェックリスト」
  • 店頭QRで飛べる“手続きガイド”
  • さらに将来は、入国認証に関する「準備の要点」コンテンツ

一見事務的な情報でも、旅行者にとっては価値が高い。つまり、インフォメーションがそのまま集客コンテンツになる時代です。

2026年は“二段構え”が効くかも・・10月まで/11月以降

実務的にいちばん重要なのは、2026年の打ち手を「一回」で終わらせないことです。おすすめは、二段構えです。

実行計画に落とす際は、市場ごとの連休・ピークを前提に組むのが近道です。

インバウンドカレンダーを見る

~2026年10月:現行制度での“駆け込み需要”を取りにいく

「今のルールのほうが手続きがシンプル」と感じる層は必ずいます。ここでは、迷わせない導線とわかりやすいメリット提示が有効です。

2026年11月以降:新制度の“良いところ”を体験として語る

特殊包装が不要になる、旅ナカで飛べる、セット提案がしやすい――。制度変更を「不便」ではなく、新しい購買体験の提案に変換していく。ここが勝ち筋になります。

変化は最大のチャンスで、勝負は捉え方で決まる。

今回の制度変更は、単なる規制強化ではありません。上限撤廃や包装ルールの見直しなど、ショッピング体験を改善する側面も含んでいます。

「制度が変わるから大変だ」と捉えるか、「制度が変わるからこそ、新しい体験を提案できる」と捉えるか。その差が、2026年以降のインバウンド市場での勝敗を分けるはずです。

私たちは、制度変更を前提に、旅前の情報設計から旅ナカ体験の訴求、帰国後の再購入導線まで含めたコミュニケーション戦略を、クライアントの皆さまと共に組み立てていきます。

【出典】

このコラムを書いた人

金 プロフィール写真

グローバル・デイリー / 広報部
韓国出身。旅行業やマーケティング会社の運営を通じて、インバウンドに関わる企画・販売・情報発信まで幅広く携わってきた。 実務で培った視点をもとに、現在は自治体や企業向けに、海外向けコンテンツの制作やセミナーを通じて、インバウンド施策を支援している。

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