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香港行政長官選挙の結果が民意とねじれる 日本のインバウンドへの波紋とは?

香港政府のトップである行政長官の選挙が3月26日に行われた。選挙は、議会の議員や金融、不動産など様々な業界から選ばれた1,200人の代表から構成した選挙委員会だけで投票した。投票結果としては、親中派の林鄭月娥氏(キャリー・ラム)が、777票を獲得し当選した。他の候補者である曽俊華氏(ジョン・ツァン)が365票、胡國興氏(フー・コクヘン)が21票を獲得した。選挙は一般人が投票できないため、香港の民意を反映できないと指摘されている。また、香港にある有名な調査団体「香港大学民意調査」が選挙前に行った世論調査によると、一般人の支持率としては、林鄭月娥氏(29%)より、曽俊華氏(56%)のほうが高かったため、今回の選挙は民意とねじれているようだ。

香港人は2016年の訪日外国人客数の4位になっているため、今回の選挙結果は日本のインバウンドにも影響を与えると、筆者は思っている。近年、香港では政治や社会などの問題が深刻になっているため、「香港にいるより海外へ行ったほうが楽」と思い、海外移住や旅行をする人が増加している。香港の通貨当局「金融管理局」が行った2016年クレジットカード消費調査によると、クレジットカードで支払った消費額の内、海外の消費が占める割合は3期連続で伸びている。その一方で、現地の消費が占める割合は、2期連続減っているようだ。今、香港のメディアは、林鄭月娥氏が行政長官になると、香港の状況は混乱が続く可能性が高いと予測している。それによって、海外旅行の意欲がさらに強くなる可能性が高いため、日本のインバウンドに必ず影響を及ぼすと、筆者は考えている。今後も香港の政治状況に注目しなければならないだろう。

編集者:オスカー チャウ