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2016年訪日中国人の消費動向変化3点 

今月の中国旧正月が終わってみて、日本国内では、昨年盛り上がった中国人の爆買いが収まっている、という声は徐々に上がってきている。今年になってから、ただ二か月だが、日本の各業界はすでに、昨年より中国人の消費動向が変わっている。筆者は今年春節に起こっている中国人訪日客の変化を3点にまとめた。

1. 客数が増えている一方で、一人当たりの消費額が下がっている
例えば、春節の際に、ビックカメラは、顧客1人当たりの購入額は減少したが、客数が上昇したため、商戦の免税品売上高は昨年に比べて3割伸びた。また、伊勢丹三越などの各百貨店は、消費者の平均消費額は約15%減ったが、外国人消費者数は昨年の同期より約50%増えた。

2.高級品より日用品を求められている
大丸松坂屋百貨店は、ジュエリーや腕時計の売上は減少した一方で、化粧品、子供服、家庭向けの日用品は購入が増えた。また、免税店ラオックスは、時計・ジュエリーがの占める売上割合は下がったが、化粧品、家電のほうは伸びた。ビックカメラも、理美容家電、薬や化粧品、日用品の売り場のほうが中国人に人気があってきたと伝えた。

3.ちゃんと商品を選んでいる
昨年、中国人観光客が何でも買ったため、爆買いは盛り上がった。ただし、今年は、良い品質を求め、ちゃんと商品を選ぶ中国人が増えてきている。ドン・キホーテの新宿店によると、旅行前ネットの口コミを調べ、「買い物リスト」を店員に見せて商品を買うツアー客は増えている。売り場を回って品物をじっくり選んだうえで、買いものをする個人客もいる。どちらにしても、商品を買い求める前に、ちゃんと考える傾向がある。

中国人の消費動向は明らかに変化している。高級品だけではなく、他の商品もだんだんと求められているため、インバウンド需要は増えている。そのため、「どうやって口コミを利用し、個人の中国訪日客を誘致するのか」とは、今インバウンドに進出している企業の課題のではないか、と筆者は考えている。

参考:Record China「訪日中国人観光客はもう爆買いをしないのか?―中国メディア」 2016/02/27 
http://www.recordchina.co.jp/a129846.html
日本経済新聞「ビックカメラ、訪日客で打倒ラオックスの勝算」 2016/02/26
http://www.nikkei.com/article/DGXMZO97640980U6A220C1000000/?df=2
産経「勝負は旅行前から 訪日中国人の「爆買い」商戦、決め手はネット上の口コミ」 2016/02/28
http://www.sankei.com/world/news/160227/wor1602270001-n1.html

編集者:オスカー チャウ