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訪日クルーズ客100万人 15年、政府目標5年前倒しで達成

2015年にクルーズ船で日本を訪れた外国人の累計人数が8日、100万人となった。国土交通省は同日、100万人目が上陸した博多港(福岡市)のクルーズセンターで記念式典を開催。会場ではくす玉が割られ、華やかな雰囲気が広がった。政府の訪日クルーズ客数の目標を5年前倒しで達成し、訪日客全体の底上げにも弾みがつきそうだ。

同日午前9時ごろ、イタリアの大手クルーズ会社が保有する「コスタセレーナ」(乗客約3450人)が、中国・上海発着の航海の途中で同港に寄港し、100万人を達成した。100万人目は夫と息子との家族3人で乗船した杭州市の張一帆さんで、国交省の江島潔政務官から花束や記念品の博多人形を受け取った。張さんは「一家での訪日は初めて。(手荷物制限のない)クルーズなので炊飯器も買って帰りたい」とほほ笑んだ。

式典では福岡市の高島宗一郎市長が「100万人の半分は博多港での入国だ。また来たいと思ってもらえる受け入れ環境を整えたい」とあいさつした。江島政務官は報道陣に「買い物だけでなく自然や文化の魅力も発信して(訪日観光の)幅を広げたい」と述べた。

政府は6月にまとめた「観光立国実現に向けたアクション・プログラム2015」に、20年に訪日クルーズ客を100万人に増やす目標を盛り込んでいる。

訪日クルーズ客はすでに、昨年1年間の実績(約41万6千人)の2.4倍の水準。日本政府観光局によると、今年1~10月の訪日外国人は1631万人で、年間でみるとクルーズ客は全体の5%程度に達する。

クルーズ人気は中国で広がっており、訪日クルーズ客の大半は中国人とみられる。中国に近い九州や沖縄に寄港が集中している。同地域では15年の寄港数が800回超と、前年比で8割増える見通しだ。

石井啓一国土交通相は8日の閣議後の記者会見で「観光立国実現、地方創生にもクルーズ振興は極めて重要。今後も積極的に取り組む」と述べた。