Inbound News 2019.04.24 訪日旅行での「タクシー利用」インサイト
訪日観光客の「足」を担当する公共交通機関。
その中でも最近、街中を走る新しいワゴンスタイルのタクシーをよく見かけるようになりました。乗客の乗り降りが楽になり、多くの荷物も積める「ロンドンタクシー」のような車体が、外国人旅行客の利便性を考慮した意図を感じさせます。
東京では初乗りの運賃が410円になり、短距離であれば以前より心理的に大分乗りやすくなった印象ですが、こんなタクシー業界の動きを見ていると、訪日外国人は日本のタクシーをどれくらい利用し、どのようにイメージされているのかが気になります。
関東運輸局が実施し、平成31年3月に発表した「訪日外国人向けタクシーサービスの利用促進に関する調査及び実証事業」の報告書によると、訪日旅行の観光客が、都内の観光で利用した公共交通機関で最も多いのが地下鉄で85%を占め、鉄道に比べてタクシーや公共バスの利用比率は低く、タクシーは14.4%に留まっていることがわかりました。
タクシーを理由しなかった理由として、最も多いのが「コストが高いから」で59%で「利用する必要を感じなかったから」が32%、「わかりにくい、難しいから」が12%、「利用に関する情報が手に入らなかったから」が11%と続き、訪日外国人のタクシー利用における最大の壁は「料金」であると想定されます。
旅行時の「タクシー利用有無」については、「利用していない」が53.5%、「利用した」が46.5%という結果となりました。国籍・地域別にみると、米国が最も利用しており、その他アジア・その他欧米豪については、「利用した」が多く、中国・台湾・香港については「利用していない」が多かったです。
年齢別の利用度は、50代以上の利用が多く、20代以下・30代・40代についてはすべて半数以上が「利用していない」と答えていました。
最近では、海外の配車アプリを日本でそのまま利用できるサービス提携や、多言語対応などタクシー会社ごとにインバウンドに特化したサービスに力を入れています。
しかしながら「UBER」などのライドシェアサービスが世界的に普及され、ローコストな交通環境に慣れている訪日外国人にとって、日本タクシーを利用してもらうための課題はまだいろいろあるように思えます。
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