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訪日リピーターを取り込め、台北で旅行博[観光]

60カ国・地域と観光関連企業約950社・団体が出展する台湾最大規模の旅行展示会「2015台北国際旅展(ITF、台北旅行博)」が6日、台北世界貿易中心(TWTC)で開幕した。日本からは過去最多の157ブースが出展。台湾人訪日観光客が今年、延べ300万人を突破する見通しとなる中、各社・団体は個人客のリピーターをターゲットにしたPRを展開した。

訪日旅行誘致事業を手掛けるグローバル・デイリー(東京都台東区)は、自社で展開している訪日外国人向け観光ソリューション「Japankuru(ジャパン来る)」のブースを、イオンや西武鉄道、ロート製薬、大丸松坂屋百貨店、日の丸リムジンなど16社と共同で出展した。朱塗りの鳥居をゲートに見立てたブースは、中央に盆踊り会場の櫓(やぐら)や提灯を配し、会場内でもひときわ目を引く。

グローバル・デイリーの中原宏尚・取締役事業本部長は「日本では外国人旅行客の“爆買い”ばかりが話題になるが、もっと日本の文化に触れたいと考えている台湾人は多い」と話す。ブースでは数時間おきに盆踊り大会を開き、来場者が祭りを疑似体験できるほか、日本の最新コスメの使い方やハイヤーの利用方法を提案するなどして、台湾人の個人旅行客を狙った情報を発信した。

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■空と陸の雄がタッグ

日本航空(JAL)と東日本旅客鉄道(JR東日本)は、パッケージ旅行を共同でPR。JR東日本系旅行会社のびゅうトラベルサービス(東京都墨田区)は昨年、JAL系旅行会社、ジャルパック(東京都品川区)の台湾子会社である創造旅行社(CTT)の株式49%を取得しており、両社はCTTの共同経営を通じて、格安航空会社(LCC)の利用や激安ツアー旅行では見えない日本の魅力を台湾人訪日客に提案した。

CTTの海老澤友宏・企画部統括部長によると、今年は新幹線車両で足湯を体験できる「とれいゆつばさ」、新潟県産の地酒や食事が楽しめる「越乃Shu*Kura(コシノシュクラ)」、蒸気機関車「SL銀河」などに乗車できるツアーを提案、好評を得ているという。日本航空の下口拓也・広報部報道グループマネジャーは、「これまで2社は空路対新幹線でライバル視されがちだったが、日台間の輸送をJALが、日本国内の移動をJR東日本が担うことで互いの資源を補完できる」と提携のメリットを強調。「今後は8割が東京や大阪、京都に集中している訪日客を東北などの地方に導きたい」とも話した。

■「成田の地元も知って」

「台湾での知名度が予想外に低い」と危機感を募らせる千葉県は、単独のブースを設けて初出展。県商工労働部観光誘致促進課の高山裕明班長によると「成田空港経由で訪日した旅行客はほぼ全て、東京ディズニーリゾート(TDR)か東京都心に流れる」と話し、今後は羽田空港から東京湾アクアラインを通じて南房総に旅行客を導く提案なども強化していきたいとした。

千葉県で修学旅行を実施した台湾の中学校や高等学校は昨年度、計14校だったが、今年は3~10月で13校に上った。高山班長によると、来年は成田空港から銚子市や鴨川市を結ぶ無料バスの運行再開も検討しているという。

台北旅行博は台湾観光協会の主催で、今年は過去最多となる1,455ブースを設け、きょう9日まで開催。13年は会期中に延べ28万人が、昨年は延べ33万7,000人がそれぞれ来場した。