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【統計の赤い糸】どこかで、つながってる。世界と日本の統計をえんむすび:外伝 – アパレル市場と訪日消費

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何かしらの「縁で結ばれている」世界各国と日本の統計の間から読み取れる、新鮮な発見を紹介している
「・統計の~赤い糸・」シリーズ
今日は、ちょっとスピンオフ的なリサーチを紹介したいと思います。

訪日外国人3人に1人は買っていて、購入満足度が高く、意外に知られていない日本のショッピングアイテムといえば… ズバリ「服」です。
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銀座や表参道、ショッピングモールやファッションビル、アウトレットなどで遭遇する外国人観光客のお目当ては、シューズやジャケット、バッグなど「アパレル」に分類されるアイテムがメインですが、特に日本製の品質が高いものや限定商品が人気だそうです。
消費単価では、中国が圧倒的。購入率では香港が最も多く、3割の人が満足したと回答しており、その理由は、デザイン性と自国よりも価格が安い事などが挙げられています。
このような、インバウンドにおけるアパレルの消費傾向は、日本の内需と比べるとどうなんだろう?「最近の日本人はファッションに興味がない」「UNI*LO世代」などのニュースをよく耳にすることもあって、ちょっと調べてみたところ…
またもや「赤い糸」を発見!

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上のグラフは、訪日主要国別の服の購入率及び消費単価です。
上述のとおり、消費額が高いのは「中国」、よく購入するのは「香港」となっております。
下のグラフは、総務省の家計調査から、日本人の洋服における平均支出の、過去10年間の推移です。
2005年から下り坂で、景気回復の兆しが見え始めた2013年から回復し、2014年からダウン、そして2016年に最低値を記録しています。

上下グラフが妙に類似しているのも面白いですが、注目すべきは「支出」です。
4,000円台で低迷する日本のアパレル支出に比べ、訪日外国人の平均消費単価は27,673円の約7倍にも及びます。
これは、年々減少している日本人の洋服への消費を補填できるのは「インバウンド」という仮説に繋がりますね。
実際に、最近のアパレル大手各社の動きを見ると、東アジアで人気のトレンドアイテムとの限定コラボなど、訪日・グローバル視点のマーケティングを強化していることがわかります。

ファッション・アパレル系のアイテムは、自分用の購入がメインなので、お土産に比べ購入単価が高く、狙い買いも衝動買いもあり得るため、注目すべきインバウンド市場であると思います。
日本のファッショントレンドも一緒に世界にもっと広まることも、あわせて期待してみましょう!